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2020 年度 実績報告書

被災地における若者の「過疎地型移行」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H01650
研究機関大阪成蹊大学

研究代表者

鈴木 勇  大阪成蹊大学, 教育学部, 教授 (90452383)

研究分担者 山本 晃輔  大阪大学, 人間科学研究科, 招へい研究員 (30710222)
志水 宏吉  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40196514)
榎井 縁  大阪大学, 人間科学研究科, 特任教授(常勤) (50710232)
高原 耕平  公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構, 人と防災未来センター, 研究員 (10844566)
宮前 良平  大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (20849830)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード移行 / 過疎地 / 被災地
研究実績の概要

本研究では、全体を通じて次のように研究を進める予定である。第1に、被災地における若者人口減少の実態を量的に検討する。第2に、地域から「出る」、地域に「残る」、「戻る」、「来る」若者の背景を生活史法により検討し、その特徴を明らかにする。第3に、こうした若者を取り巻く家族、学校、コミュニティに注目し、関係者へのインタビュー調査とフィールドワークを実施し、コミュニティの変容について検討する。第4に、同じく若者の人口減少に直面している被災地内外の過疎地域を選定し、それぞれを比較検討する。そして、第5に、旧来の「戦後日本型社会モデル」に修正を加える。
この中で、本年度は、第1の量的調査に関しては、東日本大震災被災地域を中心に、人口、経済、福祉等に関する統計データを収集し分析を進めた。第2の若者の生活史調査については、対象地においてインタビュー調査を実施し、地域で育った若者や地域外から移住してきた若者について検討した。これらの移住者については、いくつかの変数に着目し、分類することが可能であった。第4の比較調査に関しては、人口や地理的条件、経済的規模などから対象地を決定し、予備調査を行った。第3のコミュニティについての検討や、第5のモデル構築については、次年度以降、さらに調査を進めていく中で検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的のひとつは、過疎化する東日本大震災被災地における若者の生活史から、彼らの「過疎地型移行」の特徴を明らかにすることである。そのために、地域を「出る」、地域に「残る」、地域に「戻る」、外から「来る」若者にインタビュー調査を実施し、その理由や要因を検討していく。本年度は、新型コロナの影響により現地調査が制限され、当初の予定よりもインタビュー調査やフィールドワークの実施が困難であった。しかし、そうした状況の中にあっても、調査対象地域の人々の理解と協力を得て、若者たちに対して「移行」に関するインタビュー調査を実施し、その生活史を聞くことができた。その中には、ずっと地域で生活してきた人、一度外に出てからUターンで戻ってきた人、そして、地域外からやってきて今はその地域で暮らす、いわゆる「移住者」がいた。移住者に関する調査からは、彼らの移住や移行に関していくつかのパターンに分けることが可能であった。そこには、東日本大震災の経験や被災地域とのかかわり、被災地住民との関係性や、本人の家庭背景や教育経験などが影響しているように思われる。これらについては次年度以降にさらに考察していきたい。
また、比較対象地に関しては、人口や地理的条件、経済的規模などから対象地を決定し、予備調査を行った。その結果、移住者と地元住民の関係や大きな企業の有無など、両者を比較検討する視点を得ることができた。

今後の研究の推進方策

上にあげた5つの研究予定の中で、第1の量的調査に関しては、昨年度に引き続き、宮城県南三陸町をはじめとする主要な東日本大震災被災地の若者人口移動を国・県・市町村の統計データをもとに定量的に検討する。また、今年度に予備調査を実施した新たな調査対象地である淡路島についても同様の調査を実施し、それぞれの特徴を明らかにする。
第2に若者の生活史調査に関しては、南三陸町および淡路島においてインタビュー調査を実施する。今年度の調査ではどちらかというと移住者を重点的に調査したため、次年度は地元で生まれ育った若者に焦点をあて、両者の共通点や相違点について比較検討する。また、第3には、彼らとかかわる家族、学校関係者、地域の人々についてもインタビュー調査とフィールドワークを実施し、コミュニティの動態についても検討したい。
第4に、上記の量的・質的な調査をもとに、2つの対象地域を比較検討し、両者に共通する特徴と異なる特徴を抽出し、その相関関係、因果関係を明らかにしていきたい。また、その結果、更なる調査地が必要と判断した場合には、次年度に向けて新たな調査候補地を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 共生社会のアトリエ2021

    • 著者名/発表者名
      大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター(編)/山本晃輔他
    • 総ページ数
      314
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      978-4872597301

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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