研究課題/領域番号 |
20H01653
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
坂元 章 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (00205759)
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研究分担者 |
笠原 章子 (七海陽) 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (50410494)
松尾 由美 江戸川大学, メディアコミュニケーション学部, 講師 (50711628)
田島 祥 東海大学, スチューデントアチーブメントセンター, 准教授 (60589480)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | デジタル・シティズンシップ教育 / インターネット利用への教育的介入 / WEB調査 / パネル研究 / 保護者調査 |
研究実績の概要 |
インターネット利用について大人が説明したり、一緒に考えたりすることで、低年齢の子どももデジタル・シティズンシップが育つと考えられる。そのためには、子どもがインターネットについてどのように理解しているのか把握する必要があるが、これまで低年齢の子どもを対象にこれを検討した先行研究は多くなかった。そこで、本研究では、研究1として、低年齢の子どものインターネットに対する理解の現状とそれを促す要因を明らかにする縦断調査を計画し、昨年度、その1波目調査を3歳児から小学3年生の子どもの保護者を対象に実施した。本年度は、1波目調査で得られたデータを分析し、研究成果を取りまとめた。その結果、インターネットの存在と仕組みの理解に関して、学齢とインターネット利用時間の両方が関連することや、養育者がインターネット利用に制限を設定した環境での利用経験や、その制限の必要性について養育者が説明したり、話しあったりすることがインターネットに対する存在や仕組の理解を促す可能性が示唆された。 さらに、1波目調査終了後、約10か月の間隔をあけて、1波目調査回答者に対して、2021年12月に2波目調査を実施した。調査項目は1波目と同様であり、インターネットの存在と仕組みの理解と、Ribble(2011)による9つの要素に基づきデジタル・シティズンシップに関する知識の有無やそれを実行できるか否か等について、尋ねた。1波目と同様、学齢が高い子どもの方が、インターネットの存在や仕組みの理解のレベルが高い傾向や、デジタル・シティズンシップに関する知識を持つ傾向が見られた。 来年度に向けて、研究1で得られた結果を基に、低年齢の子どものインターネット利用に対する養育者のかかわりが子どもの発達に及ぼす影響を検討する研究2の縦断調査の調査項目の選定についても行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度、予定していた研究1の縦断調査の2波目調査を実施し、次年度実施予定である研究2の縦断調査の準備も進んでいるため、概ね計画通りに推進していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、令和4年度に研究2として行う縦断調査の1波目調査と2波目調査を実施する予定である。さらに、令和4年度に得られた2時点のパネルデータを分析し、令和5年度に実施予定である「低年齢の子どものデジタル・シティズンシップを育てるための保護者による教育的介入プログラム」の開発の準備を進める。また、研究1で得られたデータを分析し、研究成果を学会等で発表する予定である。
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