研究課題/領域番号 |
20H01659
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
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研究分担者 |
林 光緒 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (00238130)
樋口 重和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00292376)
田村 典久 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (00739435)
古谷 真樹 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10725998)
高田 律美 人間環境大学, 松山看護学部, 教授 (20515803)
田中 秀樹 広島国際大学, 健康科学部, 教授 (30294482)
山本 隆一郎 江戸川大学, 社会学部, 准教授 (30588801)
笹澤 吉明 琉球大学, 教育学部, 准教授 (50292587)
綾部 直子 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (50754769)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 睡眠教育 |
研究実績の概要 |
成長期の睡眠の問題は心身の発達に重大な影響をもたらす.日本の小児は睡眠時間が短いことが国際的にも指摘されており,睡眠の問題を早期に見出し睡眠マネジメントを行うことが重要である.睡眠教育が果たす役割は大きいが,教育学の中で睡眠に関する研究が取り上げられる機会は少なく,睡眠教育をどのように実施し,教育現場にどのように生かしていくかを検討することは,重要なテーマといえる.児への教育のみならず,教育・医療関係者や保護者,さらには将来子どもを育む世代も含めた多面的なアプローチが不可欠である.本研究は,未就学児~大学生までを対象として,それぞれの年齢層においてどのような睡眠教育を行うことが最も効果的かつ現実的かを検証し,睡眠知識の普及と睡眠行動改善を通じて健全な睡眠を取り戻せるよう,全年齢層を通じた継続的な睡眠教育を教育現場において実証的に検討することを目的としている.2021年度は,前年度の成果をもとに教育内容を再編成するとともに,授業,課外活動,インターネットベースの教育などの様々な手法のトライアル結果より,睡眠教育を実施する方法の最適化を検討し,これらを組み合わせた睡眠教育プログラムを討議した.また,新たな状況として睡眠習慣に大きな影響を与えたCOVID-19流行下における睡眠習慣についても議論し,行動自粛による大人の睡眠と精神健康への影響,COVID-19感染拡大前後での思春期生徒の睡眠習慣の時間的変化,心理臨床の現場からのコロナ前後の睡眠についての変化,コロナ禍における睡眠改善アプリ活用の試み,COVID-19流行前後の大学生の睡眠習慣と睡眠教育についての成果を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症下において対面での討議が困難な状況ではあったが,研究代表者・分担者によるオンラインでの討議を2か月毎に行い,相互の研究状況を把握しながら研究を進めることができた.前年度の成果で得られた効果や問題点をもとに,各年齢層にどのような睡眠教育・指導が有効かを考慮・再編するとともに,授業,課外活動,インターネットベースといった教育手法毎の効果・問題点を踏まえて,睡眠教育を実施する方法も含めて年齢毎に適した教育方法を検討した.新型コロナ感染症下における睡眠習慣への影響についても議論し,日本睡眠学会定期学術集会において,シンポジウム「COVID-19の流行に伴う睡眠習慣の変化とwith/postコロナ時代の睡眠教育」を企画し,研究成果と最新の知見について議論した.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度までに策定した睡眠教育プログラムを各地域の教育現場等で各年齢層を対象に運用し,継続してそれぞれの年齢に最も適した睡眠教育を実践するという視点から睡眠教育プログラムの有効性を実証する.また,睡眠教育に関連する情報をモノグラフにまとめるとともに,睡眠教育を教育現場でどのように生かしていくかの方向性を示す.専用ホームページを開設して,睡眠教育プログラムについての情報と関連素材を提供し,研究成果を国内外にて学会発表・論文発表を行う.また,新型コロナ感染症という新しい状況における睡眠教育の在り方について,日本睡眠学会定期学術集会においてシンポジウムを企画し,最新の知見について議論する.
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