研究分担者 |
星 信子 札幌大谷大学短期大学部, その他部局等, 教授 (20320575)
高橋 義信 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (30226906)
中村 光一 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (50580932)
八若 保孝 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (60230603)
森口 佑介 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80546581)
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研究実績の概要 |
紙面調査票の入力並びに心理・運動テスト結果の得点化を行った。思春期子どもの毛髪中の元素(Na, Mg, Al, P, Ca, Mn, Fe, Cu, Zn, As, Se, Sr, Cd, Sb, Hg, Pb)濃度をICP-MS及びICP-AESを用いて測定した。 幼児期、学童期、思春期にCBQ 、TMCQ 、またはEATQ-Rをそれぞれ用いて測定した気質的特性の発達的安定性について検討した。各気質因子の相関係数は、隣接する2つの時期の間の相関は中程度であり、幼児期と思春期の間については、エフォートフル・コントロール(EC)の相関係数は.44であったが、高潮性はやや低く、変動しやすいことが示唆された。 思春期気質への幼児期、学童期、思春期の家庭環境(幼児期:育児環境指数、学童期:Home-SF、思春期:家族適応性・凝集性評価尺度IIIで評定)の影響を階層的重回帰分析により検討した。各気質因子尺度得点を従属変数としてステップ1でデモグラフィック変数、ステップ2で幼児期、ステップ3で学童期、ステップ4で思春期の家庭環境変数を投入した。ECは全時期の家庭環境を加えた場合に最も説明力が高く、親和性は幼児期と思春期の家庭環境がモデル4で有意となった。高潮性については有意となるモデルはなかった。 思春期発達(気質、問題行動、ワーキングメモリ(WM)、運動発達)と金属暴露量(胎・乳児期、幼児期、学童期)及び栄養摂取量(学童期、思春期)との間の関係をみた。一部の毒性金属暴露量は子どものEC発達に負の影響を及ぼし、子どもの困難さを増加させる可能性が示された。栄養摂取はEC発達を促し、困難さを抑制する傾向がみられ、バランスのよい食物摂取の重要性が示唆された。WMや運動能力は金属曝露や栄養摂取の影響を受けにくいことが示された。
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