研究課題/領域番号 |
20H01671
|
研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
日野 圭子 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (70272143)
|
研究分担者 |
加藤 久恵 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (00314518)
市川 啓 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 准教授 (20624745)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 比例的推論 / 整数の乗法と除法 / 授業研究 / 学習軌道 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き,毎月1回のオンラインミーティングを通して,研究分担者や大学研究者,大学院生,小学校教師等とともに情報を交換したり,研究のアイデアを得たりしてきた。本年度は,研究代表者と2名の研究分担者が共同で研究する部分の他に,3名の代表者・分担者が中心となって3つのチームを作り,チーム毎の研究活動を進めた。また,これらの研究内容の一部を整理し,日本数学教育学会,全国数学教育学会等において発表を行ったり,学会誌や大学紀要への投稿を行ったりした. ・先行研究の継続的な探索(共同):幾つかの先行する文献から,比例的推論を支える概念的側面を探り,小学校下学年で重要と考える項目を抽出した。また,これらの項目を視点として,近年の日本の小学校下学年の実践研究をレビューした。 ・学習軌道に基づいた授業研究(1)(チーム):昨年度,先行研究をもとに推測した学習軌道を活用し,小学校第3学年において授業実践を計画・実践した。3クラスで1年間の算数の指導の中で共通の学習課題を設定し,各クラスで授業実践を行った。授業実践では課題や手立てを工夫し,児童の様子を観察した。 ・学習軌道に基づいた授業研究(2)(チーム):小学校第3学年において,「一万より大きい数」と「倍の計算」の単元で授業実践を計画・実践した。児童へは事前調査,事後調査も行い,授業中の児童の様子を評価した。特定の児童に焦点化し,児童のノートの記述の分析を通して,児童の変容やその理由を探っていった。 ・学習軌道に基づいたインタビュー調査(チーム):就学前や小学校下学年の少人数の子どもへのインタビューのパイロット調査を行い,ユニット化やノルム化に関わる思考の様相を捉えることを行った。子どもが具体物を操作して考えられる問題場面と状況を設定し,子どもの思考を引き出すような指導的働きかけも行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き,国内外の学会がオンラインになっているため,旅費等の使用予定に変更が生じている。また,授業研究やインタビュー調査の実施においても,制約や延期という事態が起こっている。その一方で,オンラインを通して,メンバー間でのやりとりを行ったり,月1ペースの全体会合を行ったりすることができている。 問題が生じた場合は,対応や変更をしながら進めているので,おおむね順調に進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
やるべきことは多いが,以下の点は今後推進していきたいところである。 ・子どもの比例的推論の実態について,授業実践やインタビューから見えてきた点に基づいて,より組織的に探究する。特に,ユニット化・ノルム化の実際,問題場面・具体物操作・言語的側面の影響などの視点から。 ・小1~3年での授業実践例を更に蓄積するとともに,これまでの実践例を整理する。 ・研究発表の機会を広げていく。(国際学会での発表へのチャレンジ)
|