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2022 年度 実績報告書

世界で広まる品格教育の日本的展開の可能性について:エビデンスと視察を通して

研究課題

研究課題/領域番号 20H01680
研究機関岡山大学

研究代表者

青木 多寿子  岡山大学, 教育学域, 教授 (10212367)

研究分担者 山田 剛史  横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (10334252)
川合 紀宗  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20467757)
笹山 健作  三重大学, 教育学部, 准教授 (20780729)
宮崎 宏志  岡山大学, 教育学域, 准教授 (30294391)
足立 稔  岡山大学, 教育学域, 教授 (70271054)
新 茂之  同志社大学, 文学部, 教授 (80343648)
井邑 智哉  佐賀大学, 学校教育学研究科, 准教授 (80713479)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード品格教育 / 徳(Virture) / 社会人の品格とWell-being / Character strenghts / 活動量と人格形成 / ポジティブ心理学
研究実績の概要

Character(品性)は,刻み込む,彫り込むという意味があり,生後のよい「習慣」の 形成で培われる人格の部分を指す。品格教育はポジティブ心理学の影響も在り,Character Strengths(強み)を育成する教育が世界中で展開しているが,必ずしもよい成果が得られていないと考える。本研究ではその原因は,一つには,品格の言葉が抽象的で難解であること,品格の言葉が多すぎることであると考えた。以上のような背景から研究を行い、以下の研究実績を上げてた。
①身体活動量と品格の関係を検討した。日本には古くから「知・徳・体」という言葉があるように,身体活動は知と徳につながっていると考えている。よって,小学生に1週間活動計を装着してもらい,身体活動量と品格との関係を検討し、関連を見出した。この研究については,分析も終わり,英語の論文2本にまとめ,現在,投稿結果を待っている状況である。なお、コロナ禍で、なかなか国際学会発表の機会を得られなかったが、7月のポジティブ心理学会で採択され、令和5年7月に発表予定である。なお、ポジティブ心理学会は4年ぶりの開催である。
次に②小中学生においては,品格とWell-ingとの関連が示されているが,社会人でもWell-beingの関係他見られるのかについてWeb調査を行う計画をしていた。これについても、コロナでデータの収集が遅れたが、一部、その分析結果の一部をまとめた。これもポジティブ心理学会での発表に投稿して採択された。よって①同様、令和5年7月に発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

遅れている理由は主として2つある。
一つはコロナ禍で世界中の人々に感染の恐怖が広がったり、人の交流が制限されて人の活動量やWell-beingの高さが通常ではなくなったことである。
このため、社会人のwell-beingの調査は、パンデミックが落ち着くまで、1年半ほど調査を遅らせた。そのために分析がまだ間に合っていない。学会等の発表も、特に国際学会は開催されない学会もあったため、分析できた分についても発表ができていない。②世界最大の品格教育センターの視察についてまとめる研究については,コロナ禍で視察の日程が先方と会わず,科研費の再度の繰り越しが認められずに視察を中止した。その結果,計上していた経費を返還し,この研究は諦めた。
もう一つは、生徒指導提要の改定がされたことである。改定後の生徒指導提要の発表がWeb上では令和4年12月27日、書籍の出版が令和5年3月24日であった。書籍の出版からまだ2か月しかたっておらず、生徒指導提要と品格教育との関連の研究がまだほとんどできていない。
以上のことから,残念ながら研究は遅れていると言わざるを得ない。

今後の研究の推進方策

データに基づく研究については、次のように考えている。まず、活動量と品格に関する英語論文2本は、引き続き採択を目指して力を尽くす、社会人のwell-beingについては、院生のアルバイトを採用してコツコツ分析を行って、年度内に英語の論文の投稿にこぎつけたい。
生徒指導提要と品格教育の関連についての研究は、今から取り組む。少しずつまとめて、年度内の紀要にその成果をまとめたい。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] 中学生の自律的な時間管理が学業成績に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      井邑 智哉、塚脇 涼太
    • 雑誌名

      佐賀大学大学院学校教育学研究科紀要

      巻: 7 ページ: 278~283

    • DOI

      10.34551/00023471

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 自律的学習動機づけが児童生徒の時間管理に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      井邑 智哉、塚脇 涼太
    • 雑誌名

      佐賀大学大学院学校教育学研究科紀要

      巻: 7 ページ: 271~277

    • DOI

      10.34551/00023470

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Re-defining Bullying to include Objectivity as well as Subjectivity Analyzing the most serious bullying styles2023

    • 著者名/発表者名
      宮川 世名、青木 多寿子
    • 雑誌名

      岡山大学教師教育開発センター紀要

      巻: 13 ページ: 161~174

    • DOI

      10.18926/CTED/65071

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] J.S.ミル『論理学大系』における帰納の要諦-数学的機能を巡ってー2023

    • 著者名/発表者名
      新茂之
    • 雑誌名

      文化學年報

      巻: 72 ページ: 75-100

  • [雑誌論文] Values in Action Inventory of Strengths の簡易版,Character Strengths Rating Form(CSRF)の日中翻訳2022

    • 著者名/発表者名
      青木 多寿子、李 明路、曹 立勤
    • 雑誌名

      岡山大学大学院教育学研究科研究集録

      巻: 181 ページ: 41~45

    • DOI

      10.18926/bgeou/64184

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 児童生徒の品格とWell-beingの関連 : 縦断データを用いた検討2022

    • 著者名/発表者名
      井邑 智哉、青木 多寿子
    • 雑誌名

      佐賀大学大学院学校教育学研究科紀要

      巻: 6 ページ: 102~109

    • DOI

      10.34551/00023188

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 一事例実験のデザインと分析方法について2022

    • 著者名/発表者名
      山田剛史
    • 雑誌名

      発達心理学研究

      巻: 33 ページ: 287-303

  • [雑誌論文] 項目反応理論の入門2022

    • 著者名/発表者名
      山田剛史・堀一輝・福原弘岳
    • 雑誌名

      精神科

      巻: 41 ページ: 1-8

  • [学会発表] 小学校2年生時の体力と3年後の抑うつ・不安症状保有との関連性ー地方都市郊外の小学校における縦断調査データから2023

    • 著者名/発表者名
      長野真弓・足立稔
    • 学会等名
      第21回日本発育発達学会
  • [学会発表] Character Strengthsは中日で一致するのか2022

    • 著者名/発表者名
      李明路・青木多寿子
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 被害者と第三者の視点から検討するいじめの定義2022

    • 著者名/発表者名
      宮川世名・青木多寿子
    • 学会等名
      日本教育心理学会総会発表論文集64
  • [学会発表] 文系学生に対する心理統計教育:記述統計の重要性の再確認を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      山田剛史・村井潤一郎・杉澤武俊・寺尾敦・堀一輝・丹治敬之
    • 学会等名
      日本教育心理学会第64回総会自主企画シンポジウム
  • [学会発表] 心理統計教育の標準カリキュラム・シラバスはいかにあるべきか2022

    • 著者名/発表者名
      日本心理学会教育研究委員会心理統計法標準カリキュラム作成小委員会・三浦麻子・小杉孝司・清水裕士・髙橋康介・森知晴・山田剛史
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 中学校1年生における欠席の関連要因の探索-地方都市国立大学附属中学校における縦断調査のベースラインデータから2022

    • 著者名/発表者名
      長野真弓・足立稔
    • 学会等名
      第68回日本学校保健学会
  • [図書] 教育科学を考える2023

    • 著者名/発表者名
      青木多寿子・山﨑麻友 第3章第2節 「PBL(キャリア教育)の実践例:教員の指導方針と学生活動の実際  小川容子・松多信尚・清田哲男(編著)
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      岡山大学出版界
  • [図書] 日本の心理教育プログラム2022

    • 著者名/発表者名
      青木多寿子 第13章「持続可能な心理教育に向けて-米国の優秀校での体験を通してー」山崎勝之(編著)
    • 総ページ数
      305
    • 出版者
      福村出版
  • [図書] 「パースのプラグマティズムー科学的探求における連続体の位置ー」『デューイの思想形成と経験の成長過程-デューイ没後70周年記念論文集』2022

    • 著者名/発表者名
      新 茂之「パースのプラグマティズムー科学的探求における連続体の位置ー」行安茂(編著)
    • 総ページ数
      294
    • 出版者
      北樹出版
  • [図書] エピソードで学ぶ統計リテラシー2022

    • 著者名/発表者名
      山田剛史,金森保智,石井浩基,泉 毅
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      北大路書房
  • [図書] 児童心理学・発達心理学ハンドブック(第一巻)2022

    • 著者名/発表者名
      山田剛史 「発達研究のシステム法」 二宮克美,他(編)
    • 総ページ数
      1250
    • 出版者
      福村出版

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公開日: 2023-12-25  

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