研究課題/領域番号 |
20H01688
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研究機関 | 大阪総合保育大学 |
研究代表者 |
松岡 宏明 大阪総合保育大学, 児童保育学部, 教授 (10321184)
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研究分担者 |
大橋 功 岡山大学, 教育学域, 教授 (70268126)
萱 のり子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70314440)
新関 伸也 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80324557)
藤田 雅也 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (80524339)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 美術鑑賞 / ルーブリック / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究チームは、2003年より美術鑑賞学習指導の研究に取り組んできた。二度の小中学校教員への全国調査、カリキュラムに関する理論研究、教員の資料・教材(内容)としての書籍編纂、視覚教材と指導方法の開発、目標と評価規準の設定の拠りどころとしての「鑑賞学習ルーブリック」の作成、その活用法の提案と、段階を追って研究を積み上げてきた。 本研究の1年目には、チームメンバー全員で『ルーブリックで変わる美術鑑賞学習』を上梓し、全国の研究者・実践者700名にこれを送付し、「鑑賞学習ルーブリック」活用の意義の普及を図った。 2021年度は、上書を教科書とした「ルーブリックで変わる美術鑑賞学習」オンライン連続セミナーを開催し、本研究成果のさらなる普及と定着を図った(5月から12月まで毎月一回第3金曜日。20:00-20:50)。第1回、第2回を松岡(研究代表者)、第3回を大橋(研究分担者)、第4回を藤田(研究分担者)、第5回を松岡と新関(研究分担者)、第6回を新関と実践者1名、第7回は村田、第8回は萱(研究分担者)と実践者2名が担当した。参加者は、第1回が117名、第2回が101名、第3回が82名、第4回が72名、第5回が74名、第6回が63名、第7回が54名、第8回が54名であった。毎回、レクチャーを行うとともに、質疑応答の時間、協議の時間を設け、実践者への理解を促すとともに、研究チームとしては今後の研究の方向性を見出すことのできる反応を得ることができた。 終了後、セミナーの映像記録(USBメモリー版)を100個作成し、セミナー参加が叶わなかった研究者・実践者に配布した。 年度末には総括を行い、今後2年間で、本研究の最終目的である、鑑賞教育体系の構築の足がかりを得たことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に作成した「鑑賞学習ルーブリック」について、中国、米国の研究者との協議したり、台湾でのルーブリックを活用した実践推進を企画したりしていたが、コロナ禍によってそれはできなくなり、予算を繰り越して、2021年度に延期した。しかし依然として外国への渡航の見通しはつかず、この点においての計画を見直すこととし、研究費の意義ある使用を模索した。 そこで、国内での研究成果の普及をさらに進めることにし、「ルーブリックで変わる美術鑑賞学習」オンライン連続セミナー全8回を開催し、延べ617名の参加を得ることができた。 当初予定は遂行できなかったが、代替内容は予想を上回る成果を得ることができたので、「(2)おおむね順調に進展している」を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は前半2年間を終えた。この間、現場の小・中教員とも連携しながら、『ルーブリックで変わる美術鑑賞学習』の上梓とその配布、そしてこれを教科書としたオンライン連続セミナーの開催と、着実に実績をつくってきた。研究成果を現場に還元することが順調に進んだ。残り2年は、本研究の最終目的である、美術鑑賞教育体系の構築に迫っていく。これまでの現場からのフィードバック、研究会での議論によって、この実現に至る見通しができている。
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