研究課題/領域番号 |
20H01705
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡辺 哲也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10342958)
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研究分担者 |
金子 健 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研究企画部, 上席総括研究員 (40260020)
大内 進 星美学園短期大学, 日伊総合研究所, 客員研究員 (40321591)
丹下 裕 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50435434)
南谷 和範 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (90551474)
橋本 芳宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90180843)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 視覚障害教育 / 立体模型 / 触察 / 3Dプリンタ / ネットワーク / データベース |
研究実績の概要 |
3D模型の制作 盲学校/視覚支援学校教員からの要望に応じて、教材用3D模型を制作し、届けてきた。主な制作物は次の通りである。地形模型:リアス式海岸の地形模型2種類。段差を設けて海岸線をたどりやすくしたこと、高さにより色分けし弱視生徒に見やすくした点が特徴である。建築物・肖像画の立体化:教科書に現れる著名な建築物として羅城門、並びにフランシスコ・ザビエルと織田信長の肖像画を立体化した。舌診模型:様々な病態の舌診模型を柔らかい素材であるTPU(熱可塑性ポリウレタン)を用いて制作し、理療科における学習教材として用いている。屋根の立体形状モデル:建築物を特徴付ける要素の一つである屋根のうち一般的な切り妻・寄棟・方形・入母屋の4種類の3Dデータを制作した。数学用立体教材:回転体の体積を積分で求めることを理解するための立体模型を制作した。 データベースの試作 クラウドデータベースサービスのAirtable を用いて、3Dデータを閲覧・ダウンロードできるデータベースを試作した。 シンポジウム・講習会の開催 3Dプリンタで製作した模型とそれを使った授業作りの紹介、3Dプリンタの使い方の講習を目的に、シンポジウム・講習会を3回開催、または講師を務めた。講習会には数十名の視覚支援学校教員が参加した。 以上の成果を原稿にまとめ、雑誌『視覚リハビリテーション研究』に投稿した(査読なし。掲載は令和4年度の予定)。 触察実験 令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止により触察実験を実施することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
触察教材用3Dデータ・模型の制作は順調に進み、利用可能な教材の数を着実に増やしている。シンポジウム・講習会の開催により、立体教材や3Dプリンタの有用性の周知も進んでいる。この進行速度をどのようにして加速させるかが今後の課題である。 新型コロナウイルス感染の影響で、人同士が近接する触察実験を行うことができなかったが、実験方法の検討は継続的に行ってきた。
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今後の研究の推進方策 |
3D模型の制作 引き続き、視覚障害教育に役立つ立体模型の3Dデータ収集、3Dデータ制作、造形を行う。視覚障害に関係する生物学、解剖学の模型の作成依頼が既に来ており(DNAの二重らせん、網膜、ニューロン)、触察しやすさを考慮しながら、これらの模型を設計する。 講習会・シンポジウムの開催 視覚障害教育に携わる教員向けの講習会・シンポジウムを年度内に2回程度行う。シンポジウムは、研究分担者の南谷教授が代表を務めるJST RISTEXのプロジェクトと併催で行う。 触察実験 提案した2種類の実験のうち、まずは触図と板状図形の間で形状理解を比較する実験について、研究倫理審査申請を行い、令和4年度中に実験を開始する。
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