研究課題/領域番号 |
20H01709
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研究機関 | 富士大学 |
研究代表者 |
金子 賢一 富士大学, 経済・経営システム研究科, 教授 (50337177)
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研究分担者 |
川乗 賀也 同朋大学, 社会福祉学部, 准教授 (20725113)
真壁 寿 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (60363743)
米本 清 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (90305277)
水戸 和幸 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (90353325)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乗馬運動 / 筋電図 / 離散ウェーブレット解析 |
研究実績の概要 |
本研究は,令和2年度から5年度までの4年間が研究期間であるが,初年度から新型コロナウィルス感染拡大に翻弄され,実験を計画通りに進めることが困難であった.令和4年度に受け入れた研究費の一部を令和5年度に繰越す申請を行い,許可をいただいたため,ここでは繰越した予算にて令和5年度に行った研究の成果を中心に報告する. 2023年8月に福岡県で開催された国際会議(JSB・ISB FUKUOKA2023)にて,「Characteristics of trunk muscle activity in children with cerebral palsy during horseback riding -Multiresolution analysis of SEMG-」という題目で研究成果を発表した.超低体重出生児(ELBWI)で重度の肢体不自由のある2名の児童と健常な児童の体幹部の8か所から筋電図を計測し,得られた筋電図信号に離散ウェーブレット変換を適用することで筋活動のパワー値を推定し,乗馬時の筋活動を評価した.得られた450-20Hzの帯域を持つ筋電図信号を3つの帯域に分け,高周波数帯域からそれぞれを,速筋繊維,速筋繊維・遅筋繊維の混合,および,遅筋繊維,の活動に由来するという仮説のもと,腰部と頸部,および,肢体不自由児と健常児とで比較した.その結果,腰部の筋活動においては,肢体不自由児の方が健常児よりも高周波数帯域のパワーが大きく,統計的に有意な差が認められた.一方,頸部では肢体不自由児と健常児とで有意な差は認められなかった.一般的にELBWIで肢体不自由のある児童は体幹の筋の成長が遅く,筋量も小さいとされているが,本研究結果からは,単に筋量が小さいだけでなく筋の活動様態も健常児と異なっていることが推察された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
世界的な新型コロナウィルス感染症の影響を受け,予定していた被験者や共同研究者が相次いで新型コロナウィルスに罹患し,実験を行うことが出来なかったため.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,令和2年度から5年度までの4年間を研究期間と定め研究活動を行ってきた.しかし,研究期間の初年度から世界的な新型コロナウィルス感染拡大に翻弄され,乗馬実験を計画通りに進めることが困難であった.そのため,令和4年度に受け取った研究費の一部を令和5年度に繰越す申請を行い受理された.令和5年度に入り新型コロナウィルス感染症が5類感染症に移行し,実験を本格的に行う環境が整った.今後はこれまで遅れていた乗馬実験を岩手県滝沢市の「馬っこパークいわて」において精力的に行い,データ収集および分析に努める.研究結果の信頼性を向上させるため,被験者数をさらに増やす方向で実験を行う.また,本研究を遂行していく中で,新たな研究における仮説が生じたため,脳波と筋電図のコヒーレント分析,および,3Dモーションキャプチャを用いた動作解析を追加したプロトコルで実験を行う予定である.
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