研究課題
本研究は、【研究A】「学び方を自ら学ぶ」能力とプロセスの包括的アセスメント法の開発と【研究B】「学び方を自ら学ぶ」能力に関する支援方法リストの作成の2つから構成される。研究Aでは、「学び方を自ら学ぶ」能力についての自己評価式のアセスメント尺度項目について、若干の修正を行った上で、新たな対象に実施した。授業の進行に基づく「学び方を自ら学ぶ」プロセスを捉えるためのアセスメント・ツールの1つとして心理尺度の作成を試み、検証を行い、「予見(見通し)」「遂行/意思コントロール(学びを進め深める)」「自己省察(振り返り)」の自己調整学習のサイクルに基づき、学び方の工夫、すなわち、学習方略として「モニタリング方略」「プランニング方略」「精緻化方略」「注意集中方略」「動機づけ方略」「援助要請方略」を取り上げ、動機づけとの関係について明らかにした。研究Bについては、小学1年生の場合、学び方を選び工夫できる児童もいるが、全体的にはメタ認知の難しさなど小学1年生ならではの特徴が示された。また、高学年クラスでの授業観察からは、「注意集中方略」の自己評価と実態にズレがみられた。注意の方略について体験的なワークを含む授業の実施の重要性が示唆された。観察研究からは、授業の流れや構造、教師からの働きかけや教材の性質など環境面の要因が与える影響も示唆された。さらに、通級指導教室における自己調整学習の指導の特徴と効果について小中学校の担当者にアンケート調査を行った。調査項目は自己調整学習のメタ認知的知識面に対する学習に対する価値・動機づけ・学習に関する方略的知識及び通級指導教室に対する意識の4つと、メタ認知的遂行面における学習の計画・実行・振り返り及び通級指導教室に対する動機の4つの要素から構成した。指導当初と現在の様子とで有意差は見られなかった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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京都教育大学総合教育臨床センター研究紀要
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