研究課題/領域番号 |
20H01714
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松河 秀哉 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (50379111)
|
研究分担者 |
串本 剛 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (60457835)
村上 正行 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (30351258)
大山 牧子 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (70748730)
根岸 千悠 大阪大学, 全学教育推進機構, 特任助教(常勤) (60726610)
江本 理恵 岩手大学, 教育推進機構, 准教授 (60400181)
冨永 陽子 岩手大学, 教育推進機構, 准教授 (70775361)
渡辺 雄貴 東京理科大学, 教育支援機構, 准教授 (50570090)
川面 きよ 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20782064)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | トピックモデル / 授業評価アンケート / 自由記述 / FD / IR |
研究実績の概要 |
本年度は大きく分けて2つの課題に取り組んだ。課題1は、機械学習を活用した自由記述の自動分類・フィードバックシステム開発であり、課題2は、各大学における分析結果を活用したエビデンスに基づく新たなFD・IRモデルの開発である。 課題1に関しては、各大学の授業評価アンケートの自由記述を収集し・従来のデータに追加した。特に、東京理科大に関しては、大量の自由記述を紙ベースで保有しているため、自由記述テキストのデータ化に取り組んだ。その結果、本年度1年間で9万件以上の自由記述を収集することができた。本年度の授業評価は新型コロナウイルス対応による授業のオンライン化の影響をはじめて受けたと考えられる。その影響を検討するため、今年度中に得られたデータを用いて、トピックモデルによる分析とトピックに対命名作業を行い、今年度の複数の大学の授業評価アンケートの自由記述に対応したモデルを作成することができた。その結果、作成したモデルには、従来の授業では見られなかった,授業のオンライン化にかかわる複数のトピックを含んでいることが明らかになるなど、興味深い知見が得られた。これらの結果については、日本教育工学会の全国大会で発表を行った。本年度はこのほか、大量データを保管・分析するためのサーバやデータベースなどの情報処理環境の整備も並行して進めた。 課題2に関しては、東北大学において実施された、授業のオンライン化の影響に関するアンケートの自由記述を、トピックモデルを用いて分析・分類し、その結果を大学執行部に共有するなど、本研究の成果に基づいたIRの実践を行うことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、予定していた分析環境の構築を順調に実施することができ、また各大学の授業評価アンケートについても、合計9万件以上収集することができ、収集したデータを用いた分析を行うことで、授業のオンライン化の影響についても検討を行うことができた。また、本来次年度以降に予定していた分析済みモデルを用いたWebベースの分析システムについても、プロトタイプではあるが実働するものを開発することができた。以上のことから、データ分析の面に関しては当初の計画以上に進展したと言えるが、各大学でのFD・IRの実践については、新型コロナウイルスの影響もあり、東北大学でのIRの実践を1件行えたのみであるため、全体としては概ね順調に進展している状態であるといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究内容のうち、データ分析に関わる部分は、現在の所概ね順調に進展しているため、当初の研究計画に則って引き続き研究を進める。ただし、各大学におけるFD・IRの実践に関しては、各大学に分析結果を提供することで、大学内の業務への活用は実施できると考えられるものの、当初の計画されていた実践の成果に関する対外的な研究会の開催は新型コロナウイルスの影響の影響により、対面で行うことは困難であると考えられる。そこで、研究会の開催形態をオンラインに変するなど、可能な限り新型コロナウイルスの影響の影響を受けない方法を検討しながら、研究を進める。
|