研究課題/領域番号 |
20H01717
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 祐平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (50252565)
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研究分担者 |
池尻 良平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任講師 (40711031)
澄川 靖信 東京都立大学, 大学教育センター, 助教 (70756303)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教育工学 / 探究 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本科研の期間全体の目的は、高校生の探究における問いの設定と学術的な情報収集の支援に向けて、日常用語を学術用語に変換できるWEBツールを開発することである。 2020年度はWEBツールを開発する準備段階として、探究のプロセスに関する文献調査および探究の授業におけるWEBツールの位置付けの検討と、高校生の日常用語と関連する学術用語を対応付けしたコーパスの開発を行った。なお、本科研では高校の歴史科における探究の授業を想定し、歴史学の学術用語に焦点を当てた。 まず、文献調査の結果、探究のプロセスは(1)導入、(2)概念化、(3)調査、(4)結論、(5)議論の大きく5つに分かれ、本科研で焦点を当てている(2)概念化には、問いづくりと仮説生成の2つのフェーズが含まれることが確認された。また、情報を収集しながら問いや仮説を推敲するフェーズがあることも確認された。そこで、日常用語を学術用語に変換できるWEBツールを用いて推敲する活動を含めた、探究の授業プログラムを開発した。 コーパスの開発については、はじめに歴史の学術用語を事典から収集した。また、高校生の日常用語や文章については、調査会社の高校生のモニター会員に対し、歴史の探究をする場合に取り組みたい問いを自由記述で回答させる形で収集した。その後、歴史教育を専門にしている研究分担者と高校の歴史の教師が両者の対応付けを行い、コーパスを構築した。 2020年度の研究成果については論文にまとめ、2021年3月に日本教育工学会の全国大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は文献調査およびコーパスの開発を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、コーパス開発に必要な高校生の日常用語の収集が困難になった。そこで、調査会社を利用して高校生のモニター会員から日常用語を収集する方法に変更したが、この影響で研究全体のスケジュールが後ろ倒しになり、結果としてやや遅れたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、開発したコーパスや他の検索アルゴリズムを組み合わせて、検索結果の精度が高いアルゴリズムにまとめる。それを踏まえ、探究の授業プログラムに沿ったWEBツールを開発する予定である。
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