研究課題/領域番号 |
20H01717
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山内 祐平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (50252565)
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研究分担者 |
池尻 良平 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 特任講師 (40711031)
澄川 靖信 拓殖大学, 工学部, 助教 (70756303)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 教育工学 / 探究 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
2021年度は、日常用語から学術用語を推薦できるWEBツールを開発した。 まず、本研究では学習者が入力した文章に対して学術用語への類似度を測定する3つのアルゴリズムを統合して使用する手法を実現した。提案した3つのアルゴリズムは、学習者の文章に含まれる名詞を利用する。1つ目のアルゴリズムは、学術用語の説明文中にある名詞と一致する数が多いほど類似するとみなすテキストマッチングである。2つ目は、学習者の文章と学術用語の内容を説明するWikipediaの記事を取得し、それらの記事のWikipediaグラフ上での類似度を測定するアルゴリズムである。このアルゴリズムは、両者の記事が、参照関係がある他の記事数が多いほど、類似度が高いとみなす。3つ目は、学術用語をカテゴリとみなし、学習者のテキストが属する学術用語のカテゴリを解析する分類器である。これら3つのアルゴリズムの出力結果はすべて確率を表すので、本手法は、最終的な結果も確率を表すように各アルゴリズムの結果を重みづけし、最も値が高い上位10件を出力する。 次に、上述したアルゴリズムの結果である10件の出力結果を表示する、歴史の探究を支援するWEBツールを実装した。本ツールは、学習者の関心に近い学術用語を推薦することで、WEB上での情報収集を支援し、探究における問いの推敲を促進することを目的に設計した。また、教師向けに、本ツールを想定した際の授業案のページも設計した。 2021年度に開発したアルゴリズムについては論文にまとめ、2022年6月に国際会議で発表予定である(採択済)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、日常用語から学術用語を推薦できるWEBツールの開発を予定していた。アルゴリズム、WEBツールともに予定通りに開発が完了しているため、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、高校生を対象に開発したWEBツールを使用してもらい、探究における問いの推敲が促進されるかを評価する予定である。また、評価結果に合わせて、WEBツールの改善も行う予定である。
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