研究課題
本研究では、自身の成長のために有用なフィードバックを誘起するために必要な要因を明らかにし、体系的にモデル化することを目的としている。成長のために必須なフィードバックをいかに引き出すことができるかについて、データサイエンス(データ駆動型アブローチ)と経験・観察・既存の理論やモデル(ナレッジ駆動型アプローチ)を組み合わせ探索する。研究範囲は、学習者とフィードバック提供者の1対1の場面、研究会のような学習者と複数のフィードバック提供者がいる1対多の場面を対象とする。また、フィードバックをもらう場面だけでなく、その前後の要因も含め、動的・静的なフィードバック誘起要因を同定する。本研究では、フィードバックの提供だけでなく、学習者からの働きかけにより、より質の高いフィードバックを誘起する手法を提案することを目指す。2020年度、2021年度では、大学における研究ゼミ、授業実践を踏まえ、フィードバックの授受でフィードバックシーカー(フィードバック要請者)とプロバイダー(フィードバック提供者)間で考慮すべき点を整理し、自身にとって良質で建設的なフィードバックを誘起するために必要な知識や態度について検討した。フィードバックの質を測定するための項目について体系化を進めた。データ駆動型アプローチに関しては、フィードバックシーカーのレディネスについて、発表準備状況だけでなく個人特性もふまえ数理モデル案を試作した。また、必要なデータ収集の方法を含む、フィードバックの誘起および利活用を促進するための支援システムの開発も進めた。研究成果の汎用性を高めるために、2021年度からは、海外の研究者とも共同を本格的に開始した。
2: おおむね順調に進展している
2020年度にコロナ禍の影響を受けて実施ができなかった国際的な研究交流について、2021年度に本格的に始動することができた。本研究プロジェクト開始時の計画通り、ほぼ研究が遂行されているため、おおむね順調と判断した。
2022年度は、これまでに研究を進めてきたフィードバック誘起モデルの精緻化、開発を進める支援システムの機能検証、データ駆動型とナレッジ駆動型アプローチを融合したラーニングアナリティクス方法の体系化をさらに進める。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
Proceedings of IEEE TALE 2021(2021 IEEE International Conference on Engineering, Technology & Education (TALE))
巻: - ページ: 399-404
10.1109/TALE52509.2021.9678817
Proceedings of CELDA 2021
巻: - ページ: 197-204
Proceedings of TALE 2021 (2021 IEEE International Conference on Engineering, Technology & Education (TALE))
巻: - ページ: 119-125
10.1109/TALE52509.2021.9678846
帝京平成大学児童学科研究論集
巻: 11 ページ: 15-22