研究課題/領域番号 |
20H01735
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
北村 健太郎 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60380549)
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研究分担者 |
今井 一雅 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 客員教授 (20132657)
西尾 正則 愛知工科大学, 工学部, 教授(移行) (70135383)
平社 信人 群馬工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (60540458)
梶村 好宏 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (20403941)
村上 幸一 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (40370035)
池田 光優 徳山工業高等専門学校, 機械電気工学科, 教授 (80311083)
高田 拓 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (80455469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エンジニアリング・デザイン教育 / 超小型衛星 |
研究実績の概要 |
本研究では、(1)高度実践レベル、(2)正課カリキュラムレベル、(3)選択的課外活動レベルの3つの学生参画のレベルに応じた、教育プログラムの開発とそれぞれのレベルに応じた教育効果の客観的評価手法の開発を目指している。 2020年度は、正課カリキュラムレベルの取り組みとしてJAXAの革新的衛星技術実証2号機に採択されている、KOSEN-1衛星の開発を主に学生中心に実施した。試作機であるエンジニアリングモデル(EM)の開発を踏まえ、10月に最終設計審査会(CDR)を実施した。承認された設計によって打ち上げ機体であるフライトモデル(FM)の開発を開始した。これらの開発は主に、高専専攻科生を含む4年生以上の学生が中心となって、各サブシステムごとに担当を決めている。正課カリキュラムレベルに関しては、徳山高専の専攻科において、2年生対象の機械制御工学総合演習に授業において、衛星開発のスキームを踏襲したモデルロケット開発、マルチコプター開発を実践するカリキュラムを試行した。11名の学生を2班に分け年度末までに製作物のテスト、レビューを実施した。選択的課外活動レベルの取り組みは、全国の高専から参加者を募りモデルCubeSatを使った衛星開発を学習する「高専スペースアカデミア」を実施すべく研究分担者、研究協力者と定期的な会合を実施した。 また、教育効果の客観的評価手法について関係者間で定期的に会合を行い内容に関する議論を行った。2020年度は上記の取り組みのうち正課カリキュラムレベルと選択的課外活動レベルに適用できるアンケートベースの評価シートの開発を検討した。評価シートは、7項目の評価観点を設け、それぞれの観点について参加者の態度と能力を評価する。それぞれの評価項目について5問ずつの質問を整理し、試行用の評価シートの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に想定した年度計画には(1)早い時期に参加研究者と全体打ち合わせを実施し、研究の実施方法について確認を行う。(2)必要に応じてCubeSat開発等の実施経験のある大学等に訪問調査を行う。(3)CubeSat開発に関しては、JAXAとの調整により打ち上げ機体の開発について学生の指導を実施する。(4)学士課程正課での授業適用に関して具体的検討を行い、必要な教材開発を実施しシラバスを確定する。可能であれば、授業での試行を行う。(5)全国からの希望者が参加できるTV会議形式のセミナーや合宿形式のワークショップについて継続的に実施できる体制を整え、参加者に実施する調査項目を整理する。の5項目であった。 このうち、(2)の訪問調査については、感染症拡大のため見送らざる負えなかったが、他の4項目に関しては、当初の計画通りに実施した。特に(4)については、シラバスの策定のみにとどまらず実際の授業の試行までを実施した。 また、教育効果の評価法に関しても計画よりも議論が順調に進み2020年度内に方針の確定及び試行用の評価シートの開発まで開始できた。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の成果を踏まえて、2021年度は以下の3項目について引き続き実施する。 (1)CubeSat開発に関しては、JAXAとの調整により運用フェーズでの学生参画を実施内容に追加する。 (2)カリキュラム開発及び課外活動の1年目に検討した項目について継続して実施・試行を行う。 (3)各プログラム参画学生の能力調査を継続的に実施し、データの集計および分析を行い、評価法の改訂を行う。 また、2020年度にできなかった訪問調査を2021年度に実施しる予定であるが、感染症拡大の状況に応じてTV会議等の方法を検討する。
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