研究課題/領域番号 |
20H01740
|
研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
東原 貴志 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (10370850)
|
研究分担者 |
村田 功二 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00293910)
井上 真理子 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30414478)
佐藤 正直 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (50846657)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 広葉樹材 / 木材加工 / 技術教育 / 農業教育 / 教材開発 / 中学校 / 高等学校 / 国産材 |
研究実績の概要 |
本研究では,国産広葉樹材を活用した中学高校の探究活動に適した木工ものづくり教材の開発と授業実践を行い,その評価を行うことを目的としている。 2020年度は、木工ものづくり教材として,さまざまな樹種を用いて製作されている,木組みのおもちゃであるクミノを研究対象とし,教員養成系大学の学生を対象とした授業実践を行った。2020年6月から7月に学部授業(木材手工具加工法)において、学生が木組みのおもちゃであるクミノ(30mm×30mm×180mm)をのこぎり,かんな,のみなどの手工具を使用して4個製作し、レーザー加工機で樹種名,製作年,製作者氏名等を刻印した。被写体認識基盤サービスを利用し画像認識システムのサーバに製作したクミノのサムネイル画像を登録した。また、Googleサイトを利用してクミノの製作過程や遊び方,製作した感想を記録したホームページを作成した。これらの登録後、タブレット端末を用いて撮影したクミノの写真データをサービス専用のホームページを介して画像認識システムのサーバに送信し,学生が製作した木製品の個品認証を試みた。 その結果、クミノの製作は同じ加工を繰り返し行い加工精度を確認しながら進めることができるため,木工の基本的な技術の習得を目的とした題材として適していると考えられた。また,クミノは手に取ることができるピースの大きさのため,広葉樹と針葉樹の比較や,密度の異なる木材の加工の難易度の考察など,樹種による違いを考察させることができるのではないかと考えられた。また,被写体の撮影条件が良好な場合には,被写体認識基盤サービスのサーバに送信した画像が認識され,個品認証の技術が木製品に応用できる可能性を見いだせた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の影響による緊急事態宣言の発令による出張の自粛,ならびに中学高校の臨時休校に伴う授業日程変更の影響により、2020年度は公設研究機関および中学校および農業高等学校の訪問を見合わせ,中学高校での授業実践を行うことができなかった。しかし,2021年度に行う中学生を対象とした広葉樹利用に関する授業実践について,木材業界関係者等との打合せと,研究者によるリモート授業参観の準備を行っており,おおむね順調に進んでいると判断した。 一方で,木工教材の開発については予定通り進めることができ,当初の予定を変更して教員養成系大学の学生を対象とした授業実践を実施した。これらの成果は第132回日本森林学会大会において研究成果を発表している。
|
今後の研究の推進方策 |
公設研究機関および中学校,農業高等学校の訪問についてはコロナ禍の影響を注視しながら検討する。中学高校の授業実践の検討については,中学校技術・家庭科の指導経験を有する現職院生への聞き取りを実施するとともに,広葉樹利用の教材開発を行い,学内で中学生を対象とした授業を実施する予定である。この授業は,リモート授業参観を実施する予定であり,研究者および木材業界関係者等と教育の効果について議論を行う予定である。 木工教材の開発については、2021年度より森林総合研究所の児嶋美穂氏を研究分担者に加えて研究組織を充実させ,広葉樹関連の木材データベース活用方法の検討を行い,広葉樹利用に関する教材開発を進める。
|