研究課題/領域番号 |
20H01741
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大谷 実 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50241758)
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研究分担者 |
伊藤 伸也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10570434)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高大連携 / 探究 / 教科横断 / 課題学習 / 数理コンピテンシー |
研究実績の概要 |
高大接続改革や新学習指導要領改訂など大きな質的変革期にある高校数学において,探究の過程を通して課題を解決するために必要な数理コンピテンシーを育成する「課題学習システム」(「総合的な探究」,「教科横断的授業」,「課外の自主ゼミ」)を,金沢大学附属高等学校数学科教員等4名(川谷内.戸田,外山,酒井)と大学(大谷・伊藤)の教員が連携してを構築した.その際,オランダの「現実的数学教育論」(Realistic Mathematics Education:RME)をモデルとし,オランダの協力者(Tom Goris, Ruud Stolwijk,Michel Doorman)の協力を受けつつ,次の3点に取り組んだ. ① 総合的な探究の時間において,SGDsを意識したチームで協働して取り組む課題学習のモジュールを開発し実践した.具体的には,Wiskunde A-lympiadの教材を援用した課題(交通渋滞の緩和)を開発し,実践した. ② 数学や理数探究の教科の授業において,他教科と連携した教科横断的な課題学習を開発し実践した.具体的には,Citoの共通試験を参考として,Covid-19感染拡大及び薬の効果的な服用について課題を開発し,実践した. ③ 課外活動において「数理チャレンジクラブ」を組織し,日常や社会生活の事象を数理的な視点で考察する課題を開発し生徒による自主ゼミナールを組織した.具体的には,U-Talentプログラムを調査し,それを参考として,数理探ゼミを数学教員ごとに組織しWWLコンソーシアムで英語で国際会議を実施した. これら①,②,③の成果を,内外の学会での発表や学術雑誌等に投稿するとともに,教師用教授資料として広く頒布した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)の課題に関しては,Wiskunde A-lympiadはコロナ禍のために学校閉鎖となり,2年間開催されなかった.(2)の課題に関しては,コロナ禍の入国制限のため,オランダからの専門家招聘が叶わなかった.(3)に関しては,同じ理由により,NLTの現地調査の受け入れが整わず,延期せざるを得なかった.これらの理由から,繰越及び再繰越を行った.
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今後の研究の推進方策 |
(1)の課題に関しては,2023年3月にWiskunde A-lympiadの本選が再開され,その課題を分析する.(2)の課題に関しては,Citoの課題が再開され,しれを翻訳しつつ教科横断的な課題を追加する.(3)の課題に関しては,NLTとU-talentプログラムの実地調査を行い,それをもとに探究ゼミを再考し,未来シコウ国際会議に向けてゼミを継続する.
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