研究課題/領域番号 |
20H01753
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋山 弘子 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 名誉教授 (10292731)
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研究分担者 |
伊藤 研一郎 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任研究員 (30805578)
藤崎 万裕 東北大学, 医学系研究科, 講師 (80782169)
菅原 育子 西武文理大学, サービス経営学部, 准教授 (10509821)
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (70002102)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | IoT / エコシステム / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究は、[1]高齢者のIoT(Internet of Thing)に対する受容度および利活用状況の大規模調査によって潜在的なIoTユーザーを特定し、[2]高齢者ユーザーの視点を考慮したIoTのプロトタイプ開発とプログラムの試行及び修正を行う。これらの基盤的研究を経て、[3]リビングラボを 点としたIoTによる高齢者支援エコシステムモデルの構築を目指す。 カスタマイズ性に優れたIoTの利用は、高齢期の多様な困りごとの解決に有用であるが、高齢者のIoT受容度は低いままである。そこで、ユーザーとの共創による技術開発において優れた事例を有するリビングラボで高齢者に受け入れやすいIoTの開発を行い、高齢者と高齢者を支援する地域住民が有機的につながるモデルを構築し、IoTによる高齢期の課題解決と、地域における持 的かつ発展的なリビングラボの在り方を提案する。 2020年度は、上記プロセスの[1]高齢者のIoT(Internet of Thing)に対する受容度および利活用状況の大規模調査によって潜在的なIoTユーザーを特定する計画であった。千葉県柏市布施新町の自治組織と協働し、町内約1200世帯に対し、無記名自記式質問紙調査を実施した。約700世帯より有効回答が得られ、そのうち、496世帯の回答者が65歳以上であった。ICT/IoTに対する認知度、受容度、利活用状況について、COVID-19感染拡大の影響を受けて導入されたICT/IoTに関するサービスの具体や年齢による受容度の差を見出した。 これらの調査結果は、国内外の学会発表で発表しており、調査協力団体に対し、結果の報告を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、上記プロセスの[1]高齢者のIoT(Internet of Thing)に対する受容度および利活用状況の大規模調査によって潜在的なIoTユーザーを特定する計画であった。複数の地域での比較等も検討していたが、隣接する町会1200世帯への調査とした。規模は小さく、地域間比較は出来ていないが、COVID-19感染拡大下において、一般住民を対象とした自記式質問紙調査を実施し、ICT/IoTに対する認知度、受容度、利活用状況について、COVID-19感染拡大の影響を受けて導入されたICT/IoTに関するサービスの具体や年齢による受容度の差を見出したことは大きな成果である。2021~2022年度に実施予定であるIoTプロトタイプシステムの開発に有用なデータが得られた。これにより、2021~2022年度に、IoTシステムのプロトタイプの開発を順次進めていくことが可能と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2021~2022年度に[2]高齢者ユーザーの視点を考慮したIoTのプロトタイプ開発とプログラムの試行及び修正を行う予定である。今回の質問紙調査の結果を基に、IoTプロトタイプシステムの開発を進める。IoTプロトタイプ開発に必要な人材は確保できており、2021年度に開発されたプロトタイプシステムの初期評価を含めた実験を順次進めていく。
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