研究課題/領域番号 |
20H01759
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
若林 明雄 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (30175062)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
大渓 俊幸 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 教授 (60456118)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害(ASD) / ASD診断 / 自閉症スペクトラム指数(AQ) / 脳皮質血流測定 / 社会的認知 |
研究実績の概要 |
本研究では,現在の診断法で自閉症スペクトラム障害(以下ASD)と診断された児童・成人と,年齢が対応した定型発達児・者を対象に,社会的認知処理課題遂行中の脳皮質活動を測定し,その結果と従来のASD診断指標の結果を加味することで,ASD診断の精度を高める可能性について検討を行った。具体的には,現在の国際的なASD診断基準となっているDSMにもとづくASDの診断を受けている群(ASD児・者群:但し,本研究では,健常群との知的水準を等価とするため,高機能ASD=本研究ではIQ>90)と健常児・者群を年齢等属性情報を対応させて抽出し,自閉症スペクトラム指数(AQ)を実施するとともに,社会的認知処理課題(ディスプレイに提示された動画の人物の心的状態の推論,視線処理課題等)処理時の脳皮質血流状態をNIRSによって測定した。 NIRS による皮質血流状態の結果では,ASD診断群は社会的認知課題遂行時に健常群(非ASD診断群)と比べ,前頭前野での血流の増加が顕著に見られたのに対し,健常群では同課題遂行時に側頭部の血流の増加が見られた。この結果は,ASD群が社会的認知処理においても一般的な問題解決(論理的処理)を適用しているのに対して,健常群は論理的解決とは異なる情動的な処理を行っていることを示唆している。 以上の結果を参考に,DSMによる診断,AQの得点,社会的認知処理課題の成績,NIRSによる皮質血流状態データの対応関係について,多変量解析等の統計的処理などを用いて分析し,DSM診断に最も対応したASD群/非ASD群の分類が可能になるような各指標の重付けをシミュレーションした。その結果,AQのASD群と非ASD群の累積データに基づく項目分析により,新たなAQ指標のみでの診断率は85%程度,それにNIRSの結果を加えた場合,診断率は88%程度となることがわかった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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