研究課題/領域番号 |
20H01766
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
丁 ミンヨン 福井大学, 学術研究院医学系部門, 客員准教授 (10774466)
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研究分担者 |
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
小坂 浩隆 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70401966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MRI / 脳面積 / 感覚 |
研究実績の概要 |
発達障害者の感覚特性の評価方法の開発のためには、行動・脳・生理学的データなど複数の指標を用いた研究が必要である。行動要因(課題成績、質問紙の結果)、脳構造要因(脳構造的連結、脳面積)、遺伝子のそれぞれの関連性を調べるために知的障害を有さない被験者を対象に、撮影したMRI画像ソフトウェアを用いて解析し、それぞれの脳領域と遺伝子との関係性について調べた。 行動特徴については,発達障害群は定型発達群より,強疼痛刺激に対して低い疼痛認知程度を示し,有意な差を認められた。発達障害群と定型発達群を比較した先行研究においても疼痛認知中の疼痛認知が定型発達群よりも低い程度を示し,本研究はこの先行研究と同様の結果となった。つまり,発達障害者は定型発達者より,疼痛刺激に対する異なる評価を示し,疼痛鈍感があることが示唆された。自閉スペクトラム傾向との関連性については,定型発達群は自閉スペクトラム傾向と疼痛認知との有意な相関関係が認められなかったが,発達障害群は自閉スペクトラム傾向と疼痛認知との有意な相関関係が認められた。 脳と遺伝子の特徴については、発達障害者の感覚的特性のある人の脳は右舌状回の皮質が厚く、特に感覚経験を回避する人は海馬の体積が小さい傾向が見られた。さらに、orbital gyriと遺伝子の変化との関連性を調べ、遺伝の変化による脳の変化について科学的明らかにした。 以上の結果に基づいて論文発表2件を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究結果をまとめて毎年1本以上の論文を発表し、研究目的である発達障害者の感覚評価の開発のエビデンスを蓄積している。
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今後の研究の推進方策 |
最後年度の目的にある発達障害者の感覚評価方法の開発のため、AIで選られた指標(80%以上の正確率を選られた指標のみ)を検査のデータに基本情報として入力させ、新たな20名に予測精度(正解率, 適合率, 再現率)を確認する。
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