研究課題/領域番号 |
20H01772
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中川 敦夫 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (30338149)
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研究分担者 |
渡邊 衡一郎 杏林大学, 医学部, 教授 (30230957)
佐渡 充洋 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10317266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / うつ病 / ITC / ランダム化比較試験 |
研究実績の概要 |
2020年度(初年度)は、インターネット支援型認知行動療法ツール(実施マニュアル、介入マテリアル、動画等)の整備、「インターネット支援型認知行動療法」の実技研修、コンサルテ ーション用のツールの作成、多施設共同ランダム化比較試験の準備を行い、研究プロトコールを作成し、倫理委員会において承認を得た。 2021年度(2年目)は、計18の研究機関の倫理承認を終え、臨床試験登録を開始した。2021年度末までに12例の登録(新阿武山病院:1、広島大学:2、とよさと病院:1、桜ヶ丘:1、慶應:1、九大:2、東京足立病院:3、名古屋大学:1)を得た。コロナ感染拡大による影響でリクルートがやや遅れているが、これまでニュースレターを3号まで発行し、研究全体の一体感の強化に努めてきた。ニュースレターには、各施設の紹介や試験実施の疑問をQ&Aにて回答した。 CBT実装の観点から、認知行動療法導入ツール(認知行動療法処方シートならびに問診票)の使用感を調査した。認知行動療法処方シートへの感想として、実施施設の精神科医師から「処方シートは、患者の困りごとに焦点をあてて書かれていたので、このあたりの問題を患者によく聞くきっかけとなった」、「今までは認知行動療法はうつの薬物療法で良くならなかった患者のカウンセリングみたいな治療だと思っていたが、処方シートをみてそうではないことに気付くきっかけとなった」というフィードバックを得た。また、問診票に対しては「問診票は患者さんの希望がダイレクトに書いてあったので、セッション中にたくさん問題が出てくるうえでも、「患者さんにとっての目標」に立ち返れるという点で良かった(精神科医)」と、各ツールの有用性を示唆する回答を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染拡大が保育園等においてみられ、お子さんへの感染から治療者が出勤停止になるなど、担当者が若手医療者であることゆえの課題がある。
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今後の研究の推進方策 |
試験実施の課題として、コロナ感染拡大により治療者がお休みになったりしていることから、バックアップ計画としてのオンラインによるCBT実施が可能な施設においては随時導入し、安定した試験の遂行に務めていく。また、8施設では実施できたことから、実施方法が慣れていくとさらにリクルートが促進できることが期待されることから、引き続き各施設と事務局の連携を強化していく。
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