研究課題/領域番号 |
20H01776
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研究機関 | 長崎純心大学 |
研究代表者 |
三浦 佳代子 長崎純心大学, 人文学部, 講師 (10597412)
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研究分担者 |
福森 聡 香川大学, 創造工学部, 講師 (00756710)
大塚 貞男 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00816986)
高守 史子 佐賀大学, 医学部, 特任助教 (20833528)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 展望記憶 / バーチャルリアリティ / 認知トレーニング / 高次脳機能障害 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、VR技術を活用した展望記憶トレーニングシステムを開発し、高齢者、脳損傷患者、及び統合失調症患者を対象にその効果を検証することである。 2020年度は、webミーティングを重ね、展望記憶トレーニングの内容を検討し、システムの開発に着手した。国内外の文献精査および分担者との協議により、展望記憶トレーニングは、視覚イメージトレーニングとVRトレーニングで構成することとした。視覚イメージトレーニングは、ストラテジーの獲得を目的としたもので、視覚イメージによって手がかりと行動の結びつきを強化し、意図した行為の自発的想起を促すことを目的としている。VRトレーニングは、展望記憶課題であるミニデー課題とVirtual Weekの課題構成を参考に設計した。具体的には、手掛かり+動作を表す動詞で構成される日常行為をVR環境内で行う課題となっている。なお、トレーニングは1回50分×8セッションで行うこととした。 また、実験装置の選定や効果検証で使用するための検査および尺度の選定を行なった。自己報告式の展望記憶尺度(Brief Assessment of Prospective Memory:BAPM)については、日本語版の作成に取り組んだ。原著者から日本語版作成の許可を得て、心理学を専門とする2名の研究者がそれぞれ独立にBAPMを和訳した。翻訳後、協議を行いBAMP-J原案を作成し、英文校正会社に逆翻訳を依頼した。その後、逆翻訳を原文と比較し原文との等価性を確認した後、原著者に逆翻訳の結果を送り、原文と意味の相異がないことの確認を得た。 繰越申請により延長して取り組んだ2021年度は、展望記憶トレーニングシステムの開発を進め、完成の目途がたった。また、作成したBAPM-Jの信頼性・妥当性を検証するため、地域在住高齢者および高次脳機能障害者とその家族を対象に質問紙調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度の目標は、展望記憶トレーニングの内容を決定し、展望記憶トレーニングシステムの開発を行ない、予備介入を行なうことであった。研究開始初年度は打ち合わせを綿密に行う必要があったがCOVID-19感染拡大の影響により、対面による打合せを一度も実施することができず、開発に大幅な遅れが生じた。それにより倫理審査にも遅れが生じ、予備介入の実施に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
倫理審査を経て、介入研究を開始する。また、展望記憶簡易評価尺度日本語版(BAPM-J)の論文執筆と投稿を行なう。
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