研究課題/領域番号 |
20H01789
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
近藤 洋史 中京大学, 心理学部, 教授 (30396171)
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研究分担者 |
河原 純一郎 北海道大学, 文学研究院, 教授 (30322241)
木原 健 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30379044)
江崎 貴裕 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (80773184)
長谷川 国大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10741837)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 知覚体制化 / 持続的注意 / 注意水準 / ゆらぎ / 磁気共鳴スペクトロスコピー / グルタミン酸 / ギャバ / 神経バランス |
研究成果の概要 |
我々は注意のゆらぎを計測する心理課題を新たに開発した。視覚および聴覚課題の抑制失敗率に正の相関が認められた。反応時間に基づく注意のゆらぎを周波数解析したところ、注意集中と注意散漫の時間帯が25秒から50秒程度の周期で遷移していた。課題の種類によらず、注意のゆらぎは個人内で一貫していた。磁気共鳴スペクトロスコピー法を用いて、持続的注意に対する神経代謝物の影響を検討した。前頭前野におけるグルタミン酸とギャバの濃度を測定したところ、それぞれの神経代謝物は視覚あるいは聴覚課題の成績と相関していた。したがって,前頭葉における興奮と抑制の神経バランスが持続的注意の変動に関与している。
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自由記述の分野 |
実験心理学、認知神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
知覚体制化や選択的注意は複雑な情景から特定の行動に関連した情報を見出すのに重要な働きである。とくに、視聴覚の注意水準を維持することは、読書や講演の聴講、あるいは車の運転といった日常の行動に必要不可欠である。本研究によって、視聴覚モダリティーに依存しない、持続的注意の共通原理が存在することが明らかとなった。個々の知覚や注意の状態を簡便に計測できれば、現在の心的状態および将来に向けての適性に関する情報を提供できるようになる。さらに、知覚的な誘因や注意水準を計測するという成果は、ヒューマン・エラーを最小化する応用技術にもつながり、来たる少子高齢化社会を安心・安全なものとする。
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