従順性とKazhdanの性質の2つは解析的群論における最も重要な概念である。作用素環に対する群作用の従順性には幾つかのもっともらしい定義が提案されてきたが、鈴木悠平氏との共同研究でそれらがすべて同値であることを示し、応用を与えた。有限生成環 R の基本行列群 EL_d(R) がKazhdanの性質を持つというのは基本定理のひとつである。この定理を非単位的な有限生成環に一般化することの成功した。粗距離空間上の作用素で有限伝播的作用素で近似できるものは擬局所的であるが、その逆も成り立つかというのは四半世紀に亘る未解決問題であった。本研究計画では反例を構成することで、この問題に決着をつけた。
|