研究課題
基盤研究(B)
本研究では絶縁体の分極や軌道磁化に関するmodern theoryを四重極子などの高次のモーメントなどに一般化することを目指した研究を行っていた。実際、絶縁体の四重極子や八重極子に関しては、それらの定式化や分数角電荷の予言といった成果が得られた。これらの研究を通して得られた別の方向性として、非一様な対称性を研究する中で、トポロジカル秩序相や自発的に対称性を破る相の基底状態の縮退についての重要な知見が得られたことが本研究の研究成果である。
物性理論
本研究を通して得られた角電荷についての一般的な公式は、NaClといった身近な結晶の角に現れる電荷を予言し、融解や反応性なども含めた物質の特性を理解する上でも重要な意味を持つと考えられる。またトポロジカル秩序や自発的対称性の破れを実現する状態でも系の大きさによっては基底状態の縮退をもたないという研究成果は量子多体系についての統一的な理解を目指す上で重要になると考えられる。