研究課題
本研究提案では、フェムト秒からピコ秒の時間幅を持つパルス電子線を用いた斜入射型の時間分解電子線回折装置を構築し、既存の透過型の時間分解電子線回折装置と組み合わせることで、時間一次元、空間三次元の超高速構造ダイナミクスの可視化技術を創出する。そして、本技術を活用して、無機物質、有機分子、炭素材料など多彩な物質の非平衡状態の構造変化と機能との関係を世界に先駆けて展開し、非平衡超高速構造変化と機能の関係解明のための次世代の超高速三次元構造ダイナミクス観測の科学技術基盤を開拓する。2022年度は、2021年度に開発した斜入射型電子線回折システムのパルス電子線のパルス幅を計測するために、テラヘルツストリーキングシステムの開発に取り掛かった。開発した弱いテラヘルツ波でも電子線に低周波のモジュレーションを生じさせることができることを明らかにし、電子線のパルス幅を2.6psであると計測することができた。この研究は、ACS Photonics誌に掲載され、筑波大学からプレスリリースされた。また、研究代表者らが開発している電子線回折法とフランスのレンヌ第一大学のProf. Roman Bertoniらが開発している広帯域のポンプ・プローブ実験を相補的に組み合わせることで、カーボンナノチューブと窒化ホウ素ナノチューブの界面で生じる構造ダイナミクスに関する共同研究を2022年度より開始した。今後、これらの装置群を用いて、よりいっそう物質の構造ダイナミクス計測が促進していくと予想される。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 6件、 招待講演 7件)
The Journal of Physical Chemistry A
巻: 126 ページ: 6301~6308
10.1021/acs.jpca.2c04075
ACS Photonics
巻: 10 ページ: 116~124
10.1021/acsphotonics.2c01304