研究課題
角運動量保存則を用いて、力学回転の角運動量と物質中の様々な角運動量(スピン)との相互変換機構を明らかにし、「スピンメカトロニクス」分野を構築することを目的とした。1915年にアインシュタイン達は磁性と回転運動の等価性を明らかにした。これは力学回転と電子の持つ角運動量(スピン)が角運動量保存則で繋がっていることを証明するものである。物質の持つ角運動量は、電子スピンに加えて、原子核スピン、流れに現れる渦(局所回転)等、多彩である。そして、これらの間には、角運動量保存則を介して相互変換が可能である。本研究では、表面弾性波の渦運動と磁性体中のミクロな角運動量(スピン)との相互作用に注目した。表面弾性波とスピンとの相互作用を利用して様々な磁性体のマグノンを検出できる。我々はこの手法を用いて、層状反強磁性体、CrCl3,のマグノン及びNiを用いた蜂の巣ナノ構造磁性体のマグノンを初めて捉えることに成功した。更に表面弾性波のcavityを導入することにより、マグノンと格子振動の相互作用を増強できることも明らかにした。これらの研究は表面弾性波を用いた磁性体の研究の幅を大幅に広げる事になると期待される。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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