研究課題
「プラズマ照射に最適な種子の生理状態は何か」を明らかにするため、プラズマ照射に対する種子の応答の分子メカニズムの解明を目的とした本研究では、カイワレ、シロイヌナズナ、イネの種子を主な対象として、プラズマ照射から種子への吸収、植物応答の結果としての発芽・成長仮定の変化までを一貫して評価する。研究遂行にあたり、以下にしめす3課題を設定した。計画最終年度である3年目において、以下の成果を得た。研究項目1)プラズマ粒子の選択照射と照射量定量:プラズマ照射における発芽促進効果について、プラズマからの放射熱による加熱の影響と、長寿命活性酸素窒素種(RONS)のそれぞれの効果について、ヒーターや試薬を用いて比較検討した結果、プラズマ照射時の温度上昇では、発芽特性に特に変化は見られず、温度上昇による影響はないことを明らかにした。プラズマ照射時のH2O2とNO3-ドーズ量を純水に照射したときの濃度計測から明らかにしたのちに、試薬を用いて同じ濃度のRONS混合溶液をつくりこれを用いて発芽試験をしたところ、プラズマ照射による発芽特性が、溶液による発芽特性よりも発芽促進していることを明らかにした。この結果は、長寿命RONSのみではない、短寿命RONSやそのほかの要因との重畳効果などプラズマ特有の発芽成長促進効果の要因の存在を示唆している。研究項目2)種子への磁場・電場印加効果の検討:プラズマ照射後に強磁場下においた種子の発芽特性は、そうでない種子の発芽特性とほぼ同じであることを明らかにした。研究項目3)プラズマに対する種子の生理状態変化:調湿による種子内水分増加は、種子の休眠性を変える一般的な方法としてもちいられている。プラズマ照射と吸湿による発芽特性の変化やその併用による発芽特性を評価し、吸湿による種子内休眠性打破と、プラズマによる休眠性打破はメカニズムが異なることを明らかにした。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 9件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Reviews of Modern Plasma Physics
巻: 6 ページ: 17
10.1007/s41614-022-00077-1
Scientific Reports
巻: 12 ページ: 12525
10.1038/s41598-022-16641-1
https://plasma.ed.kyushu-u.ac.jp/lab-koga/japanese/