研究実績の概要 |
本研究の目的は、KAGRAが国際重力波検出器ネットワークに参加するにあたり、背景重力波のデータ解析の体制を整えることにある。スペクトルの形状・非等方性・偏光といった特徴量に着目し、背景重力波の検出だけでなく、その起源を特定することができるような体制を作る。 初年度はまず、LIGO,Virgo,KAGRA collaborationの背景重力波グループが毎週行っているテレコンに参加し、情報収集を行いながら今後のコード開発の方針を検討した。また、LIGO内で背景重力波のデータ解析に使われているコード(MatApps)を使えるよう計算機環境を整え、テストランを済ませた。さらに、データ解析に取り組む研究員を募集し、次年度からの雇用が決まった。こうした活動により、具体的にデータ解析に取り組むための準備が整えることができた。 また、関連する理論研究として、地上検出器で検出可能な強度の高い背景重力波を予言するインフレーション(またはそれに代わる)モデルの研究を進め、論文2編がJournal of Cosmology and Astroparticle Physicsに掲載された。さらに、同じく地上検出器で検出される可能性がある、宇宙ひもが生成する背景重力波に関する研究も進め、論文がJournal of Cosmology and Astroparticle Physicsに掲載された。 なお、2021年の1月から3ヶ月間、産後休暇のため研究を一時中断した。
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