研究課題
本研究では 100 テラ電子ボルト(TeV)領域の超高エネルギーガンマ線を地上ガンマ線望遠鏡から観測する次世代計画、チェレンコフ望遠鏡アレイの焦点面光検出器の開発を行う。このうち焦点面光検出器として用いる半導体光検出器、光検出器の出力を波形記録する専用の集積回路、およびそれらを制御、データ取得するためのソフトウェア開発、また望遠鏡全体の高校物理シミュレーションが国際共同研究における本研究の役割分担である。2021 年度は、半導体光検出器の光検出能力の測定、またその波長・入射角度依存性のシミュレーションによる理解、半導体表面の多層膜フィルターの構造解析、半導体内部での発熱による駆動電圧の変化や利得の安定性の評価などを進めた。また望遠鏡と焦点面カメラの細部構造を取り込んだ光線追跡シミュレーションによる望遠鏡の幾何学的有効面積の評価を行い、焦点面カメラの筐体設計などを進めた。加えて、低エネルギー領域のガンマ線観測でのガンマ線検出感度の向上を目指し、異なるデザインのガンマ線望遠鏡の焦点面検出機を光電子増倍管から半導体光検出器へ置き換える試験開発を進めた。以上の結果を、2 つの修士論文として院生がまとめあげ、またこれまでの研究成果を含め、2 篇の国際共著論文や、複数の国際学会での発表を行った。2020 年度に引き続き 2021 年度は海外渡航が制限されていたため、国際共同研究相手のところに滞在して研究を進めることはできなかった。
3: やや遅れている
COVID-19 や、世界的な半導体不足により、装置開発全体が遅延している。また長期海外渡航による国際共同研究の推進を予定していたものの、海外渡航ができなかった。
2022 年度には半導体不足も一部解消され、また海外渡航も元通りになると期待されるため、半導体光検出器の性能評価や焦点面カメラの性能試験、ソフトウェア開発、望遠鏡シミュレーションなどを海外と共同で進める予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 19件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 19件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Proceedings of the 37th International Cosmic Ray Conference
巻: NA ページ: NA
Journal of Astronomical Telescopes, Instruments, and Systems
巻: 8 ページ: NA
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Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers (SPIE Conference Series)
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