• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

世界最大のミリ波超伝導検出器アレイで迫るニュートリノ質量絶対スケール

研究課題

研究課題/領域番号 20H01921
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

長谷川 雅也  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (60435617)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード宇宙背景放射 / ニュートリノ / 偏光 / 超伝導検出器
研究実績の概要

本研究では、従来に無い高感度な宇宙マイクロ波背景放射の観測を実現し、いまだ未解明なニュートリノ質量の絶対スケールに迫る事を目標としている。そのために、世界最大規模の超伝導ミリ波検出器アレイ"POLARBEAR-2"を有する偏光観測装置群「Simons Array」実験において3台の望遠鏡を立ち上げ科学観測を開始する事を目指している。
今年度は、まず1台目のコミッショニング観測を継続した。昨年度末に共同研究者によって再稼働を開始したばかりであるため、まずは観測サイトの閉鎖前後にて基本的なビーム等の光学特性に顕著な変化が無い事を確認し、その上で再稼働作業中に改良を施した超伝導検出器の信号読み出し箇所の性能が期待通り向上している事を確認した。その上で、人工較正光源を用いて基準信号を入射し、偏光特性(角度)の精密較正を行い要求を満たす精度での較正を実現した。低周波ノイズを低減するための半波長板の導入が完了し次第科学観測を開始するところまで準備が完了した。
2台目望遠鏡については、観測サイトでの立ち上げに向けて実験室にて光学素子の準備を進めた。世界でもほぼ初となる50cmレベルの低温用大型広帯域半波長板や赤外線フィルターを施工して、実験室での基礎特性の評価を経て観測サイトに輸送を完了した。ただし観測装置を望遠鏡に設置する際にメカニカルな部分に不具合が生じ、コミッショニング開始時期は次年度に延期となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績で述べたとおり、COVID-19で観測サイトに行けない状況の中でも現地の共同研究者と協力しながら1台目望遠鏡のコミッショニング観測を継続し、観測サイトに行けない代わりに(当初は予定していなかった)2台目望遠鏡の光学素子の開発・施工を行って望遠鏡搭載への準備に大きな貢献をするなど、着実にプロジェクトを前に進めているが、今年度までに2台体制を整える所まで実現しなかった事に基づき、やや遅れている、とした。ただし並行して解析コードの準備を行うなどデータ取得後に行う予定の研究を先取りして進めているため、全体としての遅延は最小限に抑えられる見通してである。

今後の研究の推進方策

今後はSimons Array1台目の科学観測の早期開始と2台目の立ち上げを早々に行う。並行してニュートリノ質量和探索のための小角度スケールにおける偏光測定感度が最大となる様に、観測領域や機器較正も含めた適切な観測スケジュールの確立を目指す。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (6件) 学会発表 (4件) 備考 (4件)

  • [国際共同研究] カリフォルニア大学バークレー校/カリフォルニア大学サンディエゴ校/ローレンス・バークレー国立研究所(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      カリフォルニア大学バークレー校/カリフォルニア大学サンディエゴ校/ローレンス・バークレー国立研究所
    • 他の機関数
      14
  • [国際共同研究] マギル大学/ダルハウジー大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      マギル大学/ダルハウジー大学
  • [国際共同研究] マンチェスター大学/インペリアルカレッジロンドン/ケンブリッジ大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      マンチェスター大学/インペリアルカレッジロンドン/ケンブリッジ大学
    • 他の機関数
      2
  • [国際共同研究] オルセー大学/サクレー大学/パリ大学(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      オルセー大学/サクレー大学/パリ大学
  • [国際共同研究] SISSA(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      SISSA
  • [国際共同研究]

    • 他の国数
      2
  • [学会発表] Simons Array実験2021年の準備状況2021

    • 著者名/発表者名
      金子大輔 他POLARBEARコラボレーション
    • 学会等名
      物理学会
  • [学会発表] POLARBEAR実験によるCMB円偏光探索に向けた半波長板の評価32021

    • 著者名/発表者名
      藤野琢郎 他POLARBEARコラボレーション
    • 学会等名
      物理学会
  • [学会発表] Simons Array実験 観測サイトにおけるコミッショニング2021

    • 著者名/発表者名
      金子大輔 他POLARBEARコラボレーション
    • 学会等名
      物理学会
  • [学会発表] Simons Array実験における人工較正光源を用いた検出器感度最適化の手法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      高取沙悠理 他POLARBEARコラボレーション
    • 学会等名
      物理学会
  • [備考] POLARBEARグループweb

    • URL

      http://bolo.berkeley.edu/polarbear/

  • [備考] Masaya Hasegawa's Homepage

    • URL

      https://research-up.kek.jp/people/masayan/index.html

  • [備考] KEK-CMBグループ

    • URL

      cmb.kek.jp

  • [備考] 量子場計測システム国際拠点

    • URL

      https://www2.kek.jp/qup/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi