研究課題
光会合実験に向けて、今年度は、(1)461 nm光の光パワー増大、(2)オーブンのチラー交換、を行った。(1)461 nm光源として、従来は、非線形光学結晶を用いた第2次高調波発生により波長922 nmの光を461 nm光へと変換し、インジェクションロックによる光増幅を行っていた。しかし、温度調整やアライメントなど、繊細な取り扱いが必要であった。そこで、これらの光源システムの代わりに、大強度のLDチップを用いた461 nmのECDLを作製し、200 mWの出力を得ることができた。これは、従来の第2次高調波による光パワー170 mWを上回るものであり、ECDL1台だけで済む。また、この新しいECDLシステムを用いて、Sr原子のFM分光を行い、分散型信号を得ることができた。(2)オーブンを冷却するためのチラーが故障したため、新しいものに交換した。分担者の阿部氏は、核EDMの一つであるシッフモーメントについて、電子状態項に対するより厳密な表現式を導出した。また多電子の波動関数を高精度に計算する結合クラスター法に対して本手法を適用するプログラムを開発した。TlF分子の数値計算から、従来のシッフモーメントの表現では、核表面付近での記述が不十分であることを明らかにした。分担者の梶田氏は、主にテラヘルツ領域の周波数の16桁以上の確度を得る可能性を分子イオンの開店遷移周波数や光格子内のCaF分子の振動遷移周波数を中心に検討した。光格子内のCaF分子の遷移周波数に与える隣接する格子内の分子の双極子モーメントから受けるシュタルクシフトで二光子遷移では17桁目のシフトであるのに対して一光子遷移では15桁目のシフトであることを結論づけた。分担者の酒見氏は、電子EDMの測定方法や光ファイバー伝送について研究した。分担者の東條氏は、時間結晶やSr分光について研究した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 2249 ページ: 012010~012010
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