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2020 年度 実績報告書

高耐久GaAsカソードと六次元位相空間回転による超扁平スピン偏極電子ビーム生成

研究課題

研究課題/領域番号 20H01934
研究機関広島大学

研究代表者

栗木 雅夫  広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 教授 (80321537)

研究分担者 早野 仁司  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 研究員 (00173055)
山本 康史  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (20415045)
清宮 裕史  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 特別助教 (20756720)
山本 尚人  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教 (60377918)
坂上 和之  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 主幹研究員 (80546333)
リプタック ザカリージョン  広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 助教 (80880046)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードリニアコライダー / エミッタンス交換 / ビーム力学 / ルミノシティ
研究実績の概要

本提案は、国際リニアコライダーILC をはじめとした電子・陽電子リニアコライダーで必要な、高スピン偏極、超扁平、極低エミッタンス電子ビームを、コンパクトな入射部だけで直接生成する試みである。(x, y, z) と全ての自由度間のエミッタンス交換により、大ビーム径で生成したビームから、終状態における超扁平、極低エミッタンスを実現する。これにより、3.1km の大型ダンピングリングと、15km にわたる長大なビーム輸送ラインが不要となり、リニアコライダーの大幅なコストダウンが実現される。

これらの実験的な検証のため、つくばの高エネルギー加速器研究機構のSTF加速器に、skewQ磁石、エミッタンス計測のためのQ磁石、などを追加し、その動作試験を行った。その結果、これらの新規追加したコンポーネントは意図したとおりに動作していることを確認した。一方で、エミッタンス計測部ではエミッタンスの計測範囲(ダイナミックレンジ)が不足していることが明らかとなったため、配置を変更することで改善する改造を2021年夏季に行った。

高耐久GaAsカソード開発については、名古屋大学、KEKの研究者と検討をすすめ、酸素を微量導入しながらCsKSbによるGaAsを活性化する手法について試験を行った。しかし酸素導入量の調整に問題があり、現状の酸素導入系では高精度の導入量の調整が困難なことがわかった。また、使用しているイオンポンプの排気能力が減退しており、更新の必要があることがわかった。これらの改善について取り組む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

つくばの高エネルギー加速器研究機構のSTF加速器に、skewQ磁石、エミッタンス計測部のQ磁石などを追加し、その動作試験を行った。この整備について、検討および製作がコロナ禍の影響により大きく遅延することとなり、2020年度内に予定していた試験の実施が2021年度にずれ込むこととなった。試験の結果、これらの新規追加したコンポーネントは意図したとおりに動作していることを確認した。一方で、エミッタンス計測部ではエミッタンスの計測範囲(ダイナミックレンジ)が不足していることが明らかとなったため、配置を変更することで改善する改造を2021年夏季に行った。

高耐久GaAsカソード開発については、名古屋大学、KEKの研究者と検討をすすめ、酸素を微量導入しながらCsKSbによるGaAsを活性化する手法について試験を行った。しかし酸素導入量の調整に問題があり、現状の酸素導入系では高精度の導入量の調整が困難なことがわかった。この改善について取り組む予定である。またイオンポンプの排気性能の劣化がみられたため、急遽イオンポンプの更新をおこなった。また、長期のビーム生成試験を行うため、緑色レーザーを購入した。

今後の研究の推進方策

つくばの高エネルギー加速器研究機構のSTF加速器に、skewQ磁石、エミッタンス計測部にQ磁石などを追加し、その動作試験を行った。この整備について、検討および製作がコロナ禍の影響により大きく遅延することとなり、2020年度内に予定していた試験の実施が2021年度にずれ込むこととなった。試験の結果、これらの新規追加したコンポーネントは意図したとおりに動作していることを確認した。一方で、エミッタンス計測部ではエミッタンスの計測範囲(ダイナミックレンジ)が不足していることが明らかとなったため、配置を変更することで改善する改造を2021年夏季に行った。2021年度におこなったビーム試験では、中流部において明らかなエミッタンスの劣化が見られたため、この原因の解明を行い、その後にエミッタンス交換のビーム試験を行う予定である。


高耐久GaAsカソード開発については、名古屋大学、KEKの研究者と検討をすすめ、酸素を微量導入しながらCsKSbによるGaAsを活性化する手法について試験を行った。しかし酸素導入量の調整に問題があり、現状の酸素導入系では高精度の導入量の調整が困難なことがわかった。酸素導入のためのリークバルブが劣化している可能性が高いため、リークバルブの交換をおこなった。またイオンポンプの排気性能の劣化がみられたため、急遽イオンポンプの更新をおこなった。また、長期のビーム生成試験を行うため、緑色レーザーを購入した。これらの改善を受けて、2022年度に再度蒸着試験を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A design of an electron driven positron source for the international linear collider2020

    • 著者名/発表者名
      H.Nagoshi, M.Kuribayashi, M.Kuriki, P.V.Martyshkin, T.Omori, T.Takahashi, M.Yamakata, K.Yokoya
    • 雑誌名

      Nuclear Instrumentation and method physics research A

      巻: 953 ページ: 163134

    • DOI

      10.1016/j.nima.2019.163134

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] ILC 電子ビームドライブ陽電子源におけるoff-crest 加速条件でのビームローディング補償2021

    • 著者名/発表者名
      栗木雅夫, 金野舜, 高橋徹, ザカリーリプタック, 大森恒彦, 横谷馨, 浦川順治, 福田将史
    • 学会等名
      日本物理学会年会
  • [学会発表] 6次元エミッタンス交換による超扁平リニアコライダー衝突ビームの直接生成2020

    • 著者名/発表者名
      栗木雅夫、柏木茂、山本尚人、金秀光、清宮裕史、山本康央、早野仁司、坂上和之、鷲尾方一
    • 学会等名
      日本物理学会年会
  • [学会発表] 定在波加速空洞における非クレスト加速条件での過渡的ビームローディングの補償2020

    • 著者名/発表者名
      栗木雅夫
    • 学会等名
      ビーム物理研究会

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公開日: 2022-12-28  

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