研究課題/領域番号 |
20H01937
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
美馬 覚 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 研究員 (50721578)
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研究分担者 |
大島 泰 国立天文台, 先端技術センター, 助教 (40450184)
大谷 知行 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (50281663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超伝導検出器 / 宇宙マイクロ波背景放射 / ラジオメーター / 超伝導ラジオメーター |
研究実績の概要 |
地上からの宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光観測に代表される電波の精密観測は、高精度化、大規模化が進んでいる。さらなる高精度観測には、大気放射の影響の除去が不可欠である。本研究では「大気放射の影響を精密にかつCMB観測と同時観測」できる超伝導ラジオメーターを開発、実現することを目的としている。CMB偏光観測用の望遠鏡に搭載可能な超伝導ラジオメーターを開発し、地上の大気放射、特に水蒸気の影響を精密に同時計測できるシステムを構築する。 本研究で開発する超伝導ラジオメーターは、大気放射の影響が大きい183 GHzを中心帯域を持つようにデザインし、大気放射のスペクトル形状をとらえる。 超伝導検出部分は、平面上のアンテナで受信した電磁波をバンドパスフィルターで分配して、検出部で電気信号に変換される。バンドパスフィルターの設計には、理化学研究所で試作した超伝導薄膜や検出器から得られるパラメーターや微細加工の精度を考慮して、電磁界シミュレーター上で設計を行った。超伝導ラジオメーターでは、ホーンを使って電磁波を集める。ホーン部と検出器部は、治具によって相対的な位置が決まる。アルミや銅などを使った治具では、熱収縮率が検出器の基板のものと異なるため冷却時に位置ずれが起こりやすい。これを避けるためにシリコンアルミ合金を使ったホーンを開発を行った。また、ホーンとは別に、これまでに実績のあるレンズレットを使ったデバイス設計も並行して行った。 超伝導ラジオメーターのシステムとしての大気放射の影響の除去能力を評価するために、実験室で分光性能の評価できるシステムを用意した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による影響により、協力機関の利用が前年度に引き続き困難であった。初年度に再構築した、超伝導ラジオメーターの読み出しシステムも半導体不足の影響があったが、必要な装置の調達はできた。
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今後の研究の推進方策 |
超伝導検出器の条件出しがほぼ完了したため、本番用の検出器の試作を協力機関で早期に行う。
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