研究課題
地上からの宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光観測に代表される電波の精密観測は、高精度化、大規模化が進んでいる。さらなる高精度観測には、大気放射の影響の除去が不可欠である。本研究では「大気放射の影響を精密にかつCMB観測と同時観測」できる超伝導ラジオメーターを開発、実現することを目的としている。CMB偏光観測用の望遠鏡に搭載可能な超伝導ラジオメーターを開発し、地上の大気放射、特に水蒸気の影響を精密に同時計測できるシステムを構築する。本研究で開発する超伝導ラジオメーターは、大気放射の影響が大きい183 GHzを中心帯域を持つようにデザインし、大気放射のスペクトル形状をとらえる。超伝導検出部分は、平面上のアンテナで受信した電磁波をバンドパスフィルターで分配して、検出部で電気信号に変換される。バンドパスフィルターの設計には、理化学研究所で試作した超伝導薄膜や検出器から得られるパラメーターや微細加工の精度を考慮して、電磁界シミュレーター上で設計を行った。電磁波の集光には、国立天文台で設計されたシリコンレンズレットを用いたデザインを採用した。検出器の基板と同じ材質のシリコンを使うことで、熱収縮による位置ずれや破損を回避している。国立天文台で設計されたデザインをもとに理化学研究所の微細加工設備を用いて検出器を作成した。超伝導ラジオメーターのシステムとしての大気放射の影響の除去能力を評価するために、実験室で分光性能の評価できるシステムを国立天文台に用意した。試作したバンドパスフィルターで低温黒体を用いた試験を行った。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 2022
すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 産業財産権 (1件)