• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

光子計数法による可視光時間領域天文学の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20H01940
研究機関山形大学

研究代表者

中森 健之  山形大学, 理学部, 教授 (30531876)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード時間領域天文学 / 中性子星 / 巨大電波パルス / MPPC
研究実績の概要

コロナ禍の行動制限と大学院生の修了に伴う学生の入れ替わり、そして半導体流通不足に影響を受けたが、以下のように着実に成果を積み重ねることができた。
前年度に開発した16画素+FPGAシステムを、望遠鏡に搭載して観測できる治具とソフトウェア群を整備した。特に、合焦と導入に不可欠なモザイク撮像システムをFPGA系に対応させた。また、FPGA回路にパルスを数え落とすバグがあることがわかり、HDLのロジックを見直し修正を施した。
この16画素+FPGAシステムをかなた望遠鏡に搭載し、Crabパルサーの観測を行った。1秒間の露光で有意なパルス信号を検出し、動作実証ができた。また飯舘電波望遠鏡と同時観測も実施でき、絶対時刻の精度の評価を慎重に進めているとともに、巨大電波パルスの観点でも同時観測データの解析を進めている。
一方で、かなた望遠鏡の撮像データの時間推移を見ると、追尾精度に対してセンサのサイズが小さすぎるという課題が顕著に認められた。安定した長時間露光観測を実施するための方策を検討した。センサの大型化が最も効果的な対策になると考えられ、64画素センサ系の立ち上げが急務であることを実験からも明らかとなった。
64画素の読み出し回路を集積化するため、KEKで開発されているアナログASICの採用を検討した。ASICの評価基板と64画素センサを組み合わせ、一光電子に対応したパルス信号をASIC内蔵のコンパレータで判別し、対応した出力が得られることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

16画素センサによる観測実験データの解析が進行しており、動作実証としては良好であった。半導体の流通不足の影響を受け、64画素センサ用の基板の新規開発の方針を少し変更を余儀なくされたが、最終年度内に観測実験が実施できる見込みが維持できたため。

今後の研究の推進方策

64画素センサで観測できるための読み出し回路と治具を制作する。かなた望遠鏡に搭載し、新システムの動作実証を行う。時刻情報だけでなく、恒星を用いた測光性能の評価も行う。
またこれらの観測とデータ解析のために、4倍になるチャネル数に対応するようにFPGA回路とソフトウェア群を拡張する必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 光子計数法による高速撮像システムと改良2022

    • 著者名/発表者名
      中森健之
    • 学会等名
      日本天文学会春季年会
  • [学会発表] かなた望遠鏡と光子計数法によるCrabパルサー巨大電波パルスの可視電波同時観測2021

    • 著者名/発表者名
      中森健之
    • 学会等名
      日本天文学会秋季年会
  • [学会発表] MPPCを応用した高感度高速撮像システムの開発と性能評価2021

    • 著者名/発表者名
      中森健之
    • 学会等名
      日本物理学会秋季大会
  • [学会発表] 光子係数法による時間領域可視光天文学の開拓2021

    • 著者名/発表者名
      中森健之
    • 学会等名
      山田科学振興財団研究交歓会
    • 招待講演
  • [学会発表] カスタムMPPCのデジタル読み出しシステムの開発2021

    • 著者名/発表者名
      中森健之
    • 学会等名
      計測システム研究会
  • [学会発表] 可視天体の高感度・高時間分解観測装置の開発2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤凜
    • 学会等名
      可視赤外観測装置ワークショップ2021

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi