研究課題/領域番号 |
20H01956
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
木村 智樹 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 准教授 (50578804)
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研究分担者 |
仲内 悠祐 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 招聘研究員 (20812514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 氷衛星 / 内部海 / 木星 / プラズマ / 宇宙風化 |
研究実績の概要 |
本研究は、太陽系における氷天体が持つ地下海の発生年代の解明を目的とする。専有できる独自の照射装置を開発し、天体進化スケール(100年から数億年)の長期宇宙風化を完全再現する。再現実験と探査機の表層観測等を比較し、風化の継続時間を導出する。これにより、地下海物質の表出年代を特定し、地下海が噴出できる深さに存在した年代を制約する。本研究期間では、プラズマ照射装置の開発・実験による、木星氷衛星における長期プラズマ宇宙風化の解明を目的とする。 2021年度は、完成させたプラズマ照射装置の性能評価を行い、所定の要求仕様を満たすことを確認した。室温で扱いやすいMgSO4やNaCl試料に対して、強度一定の照射実験を行った。これにより、氷衛星周囲の宇宙環境が時間一定だったと仮定した最もシンプルな長期宇宙風化の再現に成功した。照射した試料の紫外-赤外反射率の測定や放出された脱ガス成分により、風化を特徴づける事ができた。これらの情報に基づき、表層で発生している放射線化学過程の存在を実証できた。これらの実験結果と、氷天体の表層の赤外分光観測や希薄大気観測と比較し、風化した年代が1e+4年以内であることを制約し、活発な水噴出による表層への内部海物質の輸送を示唆した。また、仲内博士と共同で、照射電流センサを開発し、性能評価を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、初期的な実験を行い、風化の特徴付までを予定していたが、指導学生による研究成果が想定以上に出ることで、内部海表出物質の年代測定まで到達することができた一方、試料冷却のシステムテストに時間がかかり、当初予定していた低温サンプルの照射ができていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、より現実的な氷天体環境を再現するため、冷凍機を用いた試料冷却を行いながら、照射と分析を行う実験に取り組む。また、照射強度の多様な組み合わせで実験し、過去の磁気圏が活発でプラズマフラックスが大きかった環境進化シナリオなどを調査していく。
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