研究課題
本研究課題は磁気圏-電離圏結合系において、従来、磁気圏現象の合わせ鏡として扱われていた電離圏について、そのダイナミクスを徹底的に整理し、結合系において生じる電離圏ダイナミクスが、磁気圏ダイナミクスに対して能動的に働く様子を明らかにすることにあった。我々は、従来的な磁気圏電離圏結合プロセスを、電離圏を出入りするAlfven波によるエネルギ-、運動量交換の形で整理したアルゴリズムを、グローバルな太陽風-磁気圏-電離圏結合シミュレータに実装することに成功した。その結果、電離圏の分極過程、特にHall伝導度の非一様領域で生じるHall分極場は、電離圏対流を歪め、結果その過程に於いて生じたHall分極電場とそれに付随する、電離圏から湧き上がる沿磁力線電流が、磁気圏ダイナミクスを修正していることが明らかにした。また、オーロラ帯高緯度境界領域で観測される極域突然増光現象(PBI)再現性を探るために、誘導性Hall効果を取り入れた理論モデルを開発し、増光効果が昼間側磁気再結合現象によって駆動されたストリーマータイプの電離圏フローが、オーロラ帯の極側境界に侵入するときに生じる電離圏での多段階Hall効果により駆動されていることも突き止めることができた、但し、誘導効果によって生じる磁気音波の効果を部分的な形でしか取り入れることに成功していないため、更なる精査が必要であるとの課題も浮き彫りとなった。これらの成果は数編の国際会議発表され、国際学術誌稿論文として投稿準備中である。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件)
Annals of Geophysics
巻: 66 ページ: GM323~GM323
10.4401/ag-8979
Journal of Geophysical Research: Space Physics
巻: 128 ページ: -
10.1029/2022ja031248
巻: 127 ページ: -
10.1029/2022JA030691
10.1029/2022JA030312
10.1029/2022JA030278