研究課題/領域番号 |
20H01963
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
篠原 育 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (20301723)
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研究分担者 |
高島 健 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (10298193)
寺本 万里子 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (10614331)
三谷 烈史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (70455468)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高エネルギー電子計測器 / 超小型衛星 / CdTe半導体 |
研究実績の概要 |
九州工業大学が計画する超小型衛星(BIRDS-5衛星)に高エネルギー電子計測器を搭載するため,追加する1Uのミッション部を開発した.衛星システムとミッション部のインターフェース調整作業がコロナ影響による衛星システム開発の遅延によって遅れたが,科研費の繰越させて頂くなどの計画変更によって,計画後のスケジュールに沿ってはほぼ予定通りに開発を進めることができた.2020年度中に完了させる予定であった衛星システムとミッション部のインターフェース用デジタル信号処理基板の設計・製造は,2021年度前半に完了している. 高エネルギー電子センサーとしての半導体を購入するとともに,Geant4を用いて検出器シミュレータを構築し,半導体の配置,シールド厚の決定を行い,それらの結果に基づいてミッション部の設計を行った.また,CdTe半導体について,γ線による検出器評価とともに,電子照射により電子分析性能を確認し,今回想定する観測計画内では観測性能が達成できることが確認された. これらの結果をうけて,ミッション部の設計・製造を進めた.高エネルギー電子計測器は,既開発品をベースにしているものの,新規に搭載するCdTe半導体センサーに対応するために高圧電源部などの新規製造の必要もあったが,これらを含めたアナログ信号処理部を設計・製造も完了させ,ミッション部としての1Uの超小型衛星搭載部を完成させた. 一方,超小型衛星の電力制約から常時の観測は難しいため,軌道上のどこで観測機器の電源を入れて観測を行うか,蓄積したデータをどのような選択方法で地上に降ろすか, といった運用設計も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度計画は,コロナ影響で超小型衛星の衛星システム側の開発の遅延したことに伴ってインターフェース調整が遅れたことから,科研費の2021年度への繰越をさせて頂き,修正された衛星開発スケジュールにあわせて高エネルギー電子計測器の開発スケジュールも見直した.見直し後の電子計測器の開発はスケジュール通りに進み,2021年度中に高エネルギー電子計測器を含むミッション部のフライトモデルを完成させることができ,衛星システムに結合され,結合試験も問題無く完了させることができた.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度までに,衛星システムと高エネルギー電子計測器のフライトモデルをほぼ完成させることができたので,2022年夏の超小型衛星の打上げに備えて,今後は電子計測器を運用する運用計画立案やデータ処理のための地上システムを開発する.フライト予備品を用いたセンサーの性能試験を実施し,軌道上観測データの較正情報を取得し,観測に備える.また,観測開始後の科学解析についても準備を進める.
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