研究課題/領域番号 |
20H01974
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
小泉 尚嗣 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00215154)
|
研究分担者 |
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 教授 (60191368)
笠谷 貴史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), グループリーダー (90373456)
岸 和央 立正大学, 環境科学研究所, 客員研究員 (40802468)
後藤 忠徳 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (90303685)
丸尾 雅啓 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (80275156)
細井 祥子 (田辺祥子) 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (80423226)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 琵琶湖 / 湖底湧水 / 湖底環境 / 温度勾配 / 変色域 / ガス / ROV |
研究実績の概要 |
琵琶湖の北西部で湖底熱調査を行った。測定には,長さ3mの棒状のプローブに15~20 cm程度の間隔で12~14個の温度センサーを配したものを使用し,これを堆積物に突き刺すことにより湖底面からの深さ1~3 mにおける温度分布を求めた。琵琶湖北西部の最深部付近で特に地形が急変している場所(北緯35度20.22分, 136度6.09分,水深90m,以降Y1)において,他の場所の琵琶湖の湖底に比べて高い温度勾配を示す点を複数検出した。 2020年度予算の間接経費で購入し,滋賀県立大学の実習調査船「はっさかⅡ(にせい)」に装備したマルチビームソナーを用い,琵琶湖北西部で試験的に水中音波探査を行った。この装置は,船直下から左右60度の範囲を測定することができるので,水深が100mの水平な湖底があるとすれば,直下から左右に最大100√3m≒170m,幅として最大340mの湖底の探査ができることになる。しかし,実際に運用した感じでは,信頼できる信号が取得出来る範囲は,その3割程度(上記条件なら左右50m(幅100m)程度)であった。得られた信号は,リアルタイムでモニターに出力される。水中音波探査の結果,Y1付近で湖底からのガス噴出に伴うと思われる音響異常を検出した。 琵琶湖北西部のY1付近の湖底をROV(遠隔操作型無人潜水機)に取り付けられたカメラで撮影し,湖底の白い変色域を複数検出し,その一部からガスが出ていることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行のため,協力機関との合同調査を当初の予定通りに行うことができなかった。また,同じ理由で部品メーカーの工場の稼働率が低下し,観測に必要な機材や部品の入手が困難になったり,納期が遅れたりした。以上の理由により,進捗状況はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症は引き続き流行しているが,協力機関との調整を進めて,人数を絞る等の工夫をして合同調査を進めていく。観測に必要な機材・部品で,入手困難なものは代替品を探す等のことを行って観測できるようにする。以上の作業を行う事で,研究の遅れを取り戻していきたい。
|