研究課題
研究代表者の高谷は、対流圏・成層圏力学結合の研究の一環として行った共同研究の成果として、北半球の物質循環と気候変動の関係を解明した成果、および、2021年8月の日本の大雨に伴う大気循環変動の本質を明らかにした成果を、ともに学術論文として出版した。高谷はデータ解析の力学的議論の部分を担当し、今後の対流圏・成層圏結合の研究に向けて重大な知見を得ることが出来た。研究分担者の木下は、上部対流圏から下部成層圏における物資輸送を解析すべく、2022年に受理された新理論を用いて解析を進める中、水平流の解析で問題が見つかった。この問題の原因を特定し、改めて解析し論文化を進めている。一方、解析手法の確立を目指す中、高高度ラジオゾンデ観測データを用いた波活動に関する研究が進み、論文にまとめ、投稿、受理された。研究分担者の木下は、昨年度投稿した停滞性ロスビー波活動に伴う物資輸送に関する論文の改訂を行い、無事受理された。その後、上部対流圏の大気大循環および夏季モンスーン期における擾乱活動の3次元構造を決める要因を探るべく、新理論を用いた解析を進めている。研究分担者の山崎は,MIMでの定式化に基づいたE-P fluxや寒気質量フラックスを用いて,ブロッキングと成層圏突然昇温との関係,ブロッキングと東アジア域での寒気流出と関係について事例分析を行った。研究分担者の菅野は,北極域からの寒気の流出と対流圏上層の大気循環との関係を解明するために,特定温位面以下の寒気容量と北極域の極渦の季節内変動関係について調査した.その中で,寒気の解析手法を高度化する必要が生じ,関連するパラメータの感度実験を実施し,改良した計算法を確立した.本手法を用いて改めて解析を実施し,論文化を進めている.このように、本科研費参加の4名で密接な連絡を取りながら、それぞれ割り当てられた役割の中で順調に成果を上げることが出来た。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
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