| 研究課題/領域番号 |
20H01987
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| 研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
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研究代表者 |
芝崎 文一郎 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 上席研究員 (20344012)
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| 研究分担者 |
藤井 雄士郎 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (60442836)
津田 健一 清水建設株式会社技術研究所, その他部局等, 副主任研究員 (60470324)
松澤 孝紀 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 主任研究員 (90500744)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 巨大地震 / 千島海溝 / 南海トラフ / 地震発生サイクル / 動的破壊 / 津波生成 |
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| 研究実績の概要 |
千島海溝を対象に、超巨大地震の準動的地震発生サイクルのモデル化を行った。十勝沖地震、根室沖地震のアスペリティに加え、浅部アスペリティを設定し、アスペリティ内で速度弱化、それ以外の領域に対して速度強化の摩擦特性を与えた。さらに高速度では、速度強化の領域でも、Thermal pressurizationによる動的弱化が起こる。数値シミュレーションにより、およそ400年間隔で発生する超巨大地震発生を再現した。また、超巨大地震の発生前に浅部アスペリティで固着域が狭まる様子が再現された。南海トラフのモデル化に関しては、動的な計算との接続を目指した、プレート境界すべりの準動的なモデリングに向けて、プレート境界の形状に関する検討を実施し、動的・準動的モデルで共通に使用するためのプレート境界形状のモデルを選定した。また、南海トラフの実際のプレートの沈み込み帯の形状をモデル化し、断層破壊シミュレーションに使用するための簡単な試験メッシュの作成を行った。プレート境界巨大地震の断層破壊の挙動を検討することを目的として、低速度の浅部付加体の効果を考慮した動力学的断層破壊シミュレーションを行った。その結果、低破壊速度の津波地震が再現された。津波シミュレーションに関しては、データ整理、計算機環境整備、津波波源モデルの再検討等を行った。海外の地震ではあるが、2005年のニアス地震（M8.6）について、津波及び地殻変動データの再解析を行い、同地震の津波波源モデルを構築した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
千島海溝における連動型大地震のモデル化は順調に進んでいる。南海トラフに関しては、プレート境界形状や摩擦パラメターの設定について、研究代表者および動的計算の担当者と議論を行い、順調に進めている。また、断層浅部の挙動に影響に大きな影響を与える沈み込み帯浅部での付加体の影響を考慮したモデルを作成し、動力学的な断層破壊シミュレーションを行った。この成果は予定外に得られたものであるが、津波地震の理解に非常に重要な成果である。津波シミュレーションに関しては、文献調査及び海底地形データ等の情報収集を行った。また、計算用ワークステーションやストレージサーバー等の環境構築を行った。
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| 今後の研究の推進方策 |
津波地震をイメージした動力学的断層破壊シミュレーションを行い、その特徴をまとめると共に、得られた結果を津波シミュレーションに引渡すための準備作業を行う。より広域南海トラフのメッシュの作成を試みると共に、その作成方法を用いて千島海溝等、他の地域を対象としたメッシュの作成を試みる。動的計算で使うメッシュと共通したプレート境界形状を設定し、準動的なモデルによりプレート境界すべりの時間発展を計算し、動的破壊開始前までの応力蓄積状況を推定する。南海トラフ及び千島海溝から沿岸部の海底地形データ等を整理し、プレート形状を考慮した予察的な津波伝播計算を実施する。数値計算用ワークステーションを更新し、GPGPUによる並列津波伝播計算の更なる高精度・高速化を図る。
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