研究課題/領域番号 |
20H01996
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清川 昌一 九州大学, 理学研究院, 准教授 (50335999)
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研究分担者 |
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 教授 (10272098)
竹原 真美 国立極地研究所, 研究教育系, 特任研究員 (70792448)
池原 実 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90335919)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中太古代 / グリーナライト / 縞状鉄鉱層 / シデライト / 黒色頁岩 |
研究実績の概要 |
32億年前のDXCLのコアについて,詳細な薄片観察をおこない,クリバービル層を2つの部層に区分でき,頁岩層から鉄鉱層にむかう変化を明らかにした.黒色頁岩では,基本シルト質の泥岩層であり,20cmほどの層からなり,それぞれの層の下部にはラミナをもつ細粒砂をもつ.これらは情報に向かって量が増えていく.しかし,BIF層になるとこの流入がなくなり,チャート,シルト,の細かな互層に変化する.この互層には,チャートとシデライト,粘土層からなる.特に緑色の粘土層(クローライト)の成因については,明らかになっていない. BIFは基本シデライトを多く含み,チャート,粘土の薄い互層部分と緑色粘土(クローライト)から奈留.薄いチャート.粘土互層中には,泥勝ち部分のみにマグネタイトが形成していることを突き止めた.マグネタイトは自形結晶をしており,続成作用でその部分のみ多くなっている.周りはシデライト結晶が発達しており,チャート層中には自形結晶が発達している.上部は黒色頁岩からなる.REE分析については,基本Eu正異常がみられ,熱水起源の影響を強く受けていることがわかった.当時の海洋は熱水の影響をうけた暖かい海であった可能性が高い. また,鉄が沈殿始めるまでは,基本黒色頁岩の地層であるが,急激な変化によりシデライトが沈殿し始める.これには,チャート層が必ず挟まれるために,熱水活動によるシリカのインプットが起こっていることが類推できる.当時の鉄鉱層は熱水活動が活発になるときに沈殿していることがわかる. その詳細について,電子顕微鏡観察をはじめており,詳細な初源鉱物 グリーナライトの存在を明らかにしようとしている.今後,薄片観察と電子顕微鏡,さらに透過型電子顕微鏡観察を行っていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナのために,当初予定していた野外調査ができなかった.ただ,方針をシフトして今まで取得している岩石についての詳細な分析を行うことにした.それにより今までの野外調査で不十分なところが明らかになってきた.
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今後の研究の推進方策 |
その詳細について,電子顕微鏡観察をはじめており,詳細な初源鉱物 グリーナライトの存在を明らかにしようとしている.今後,薄片観察と電子顕微鏡,さらに透過型電子顕微鏡観察を行っていく予定である.
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