研究課題/領域番号 |
20H02006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
南 拓人 神戸大学, 理学研究科, 助教 (90756496)
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研究分担者 |
寺田 暁彦 東京工業大学, 理学院, 准教授 (00374215)
宇津木 充 京都大学, 理学研究科, 助教 (10372559)
風間 卓仁 京都大学, 理学研究科, 助教 (20700363)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 火山 / 阿蘇 / 水蒸気噴火 |
研究成果の概要 |
本課題では、当初予測したように、課題期間中に阿蘇山において2021年10月に水蒸気噴火が発生し、その噴火の前後で貴重な地球物理観測データが得られた。特に人工電流を用いる電磁探査では、得られたデータの三次元的な解析により、阿蘇山第一火口直下数百メートルまでの領域において、電気の流れやすさを示す電気伝導度の値が、2021年10月の水蒸気噴火の前に低くなり、また噴火後に徐々に高くなることが明らかとなった。これは、水蒸気噴火に伴って、地下の熱水の量が変化していることを示している。本研究により、水蒸気噴火を含む期間において、地下の電気伝導度構造が時間的に変化することが観測的に示された。
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自由記述の分野 |
火山学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水蒸気噴火は大規模なマグマの移動を必要とせず、水蒸気圧の増加が非破壊的に進む場合には、地震観測による噴火予測が難しい。一方で、2014年の御嶽山水蒸気噴火でも知られる通り、水蒸気噴火は甚大な被害をもたらす可能性があり、非破壊な前兆現象を観測的に捉える手法の確立が、火山防災の観点からも重要である。本研究では、活発な状態が続く阿蘇山において、2021年10月の水蒸気噴火を含む期間において、電磁探査を断続的に実施した。その結果、水蒸気噴火の前に地下の比抵抗が大きく変動していたことを明らかにした。この結果は、水蒸気噴火のメカニズムの理解、及び、水蒸気噴火の予測に、電磁探査が有用であることを示している。
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