研究課題/領域番号 |
20H02014
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小林 憲正 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (20183808)
|
研究分担者 |
三田 肇 福岡工業大学, 工学部, 教授 (00282301)
癸生川 陽子 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70725374)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 太陽エネルギー粒子 / 銀河宇宙線 / 生命の起源 / 一酸化炭素 / 有機炭素 / アミノ酸 / 陽子線照射 / 紫外線照射 |
研究成果の概要 |
初期地球上での化学進化における太陽高エネルギー粒子(SEP)の役割を,加速器を用いた実験により検証した。初期地球大気が強還元型ではなくCO2, CO, N2を主とするものだったとしても,SEPがCO, N2から十分な量のアミノ酸を生成しうることが示され,また,従来考えられていたようなStrecker合成のような平衡化学的な反応ではなく,新たな化学進化の道筋の存在も示唆された。さらに大気中で温室効果の高いN2Oを生成することにより初期地球の凍結を防いだ可能性も示された。SEPにより生じるスピン偏極ミュオンがアミノ酸の不斉に関わった可能性も示唆されたが,そのさらなる検証が今後の課題である。
|
自由記述の分野 |
アストロバイオロジー
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生命の誕生に必要なアミノ酸などの有機物の生成の場としては地球大気と地球外環境が考えられているが,近年では初期地球大気は弱還元的で有機物生成に不利とされてきた。本研究では太陽フレアに由来する太陽高エネルギー粒子のエネルギーを考慮すれば,弱還元的な初期地球大気からも大量のアミノ酸生成が可能であったことを模擬実験により示した。この時の反応機構は従来広く考えられてきたストレッカー合成のような平衡反応ではないことも示され,新たな化学進化の道筋の探索の重要性が示唆された。
|