研究課題/領域番号 |
20H02021
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
祖山 均 東北大学, 工学研究科, 教授 (90211995)
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研究分担者 |
北川 尚美 東北大学, 工学研究科, 教授 (00261503)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | キャビテーション / 固体粒子 / セルロースナノファイバ / 表面力学設計 / 機械的表面改質 |
研究実績の概要 |
1. 天然バイオマスをベンチュリ管を用いて発生させた流動キャビテーションで処理し,溶媒を分析した結果,カフェ酸を検出することができ,流動キャビテーションによる天然バイオマスから生理活性物質の抽出に成功した。また,抽出と同時にサブマイクロオーダのセルロースファイバを得られることを実証した。 2. ベンチュリ管を流動キャビテーションで発生させる場合に生じる閉塞によるトラブルを回避するために,流路断面積を連続的に可変な流動キャビテーション発生装置を考案し,当該装置により天然バイオマスを前処理せずに流動キャビテーションで解繊が可能なことを実証した。 3. アブレシブを混濁させたキャビテーション噴流を用いたキャビテーションピーニングで表面改質したチタン製合金材を疲労試験に供した結果,粒子を含有した流動キャビテーションにより疲労強度を向上できることを実証した。 4. 金属製3次元積層造形材を流動キャビテーションならびにレーザキャビテーションで処理して,ねじり疲労試験および平面曲げ疲労試験に供した結果,積層造形材はバルク材に比べて疲労強度が低いものの,せん断負荷に関しては比較的機械的表面改質による疲労強度の向上が大であることが判明した。 5. 流動キャビテーションとレーザキャビテーションを実験的に比較検討するなかで,パルスレーザのパルス幅を拡大させてピークパワーを低減させて伝送してレーザキャビテーションを発生させることに成功した。 6. 流動キャビテーションならびにレーザキャビテーションを用いて機械的表面改質した金属材料の疲労特性ならびに機械的特性を従来技術の機械的表面改質と比較した結果,キャビテーションを用いたほうが疲労特性が改善することを明らかにした。なお,この傾向は,比較的軟らかい金属材料のほうが顕著であることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書の研究計画に記した項目について,順調に実施し,着実な成果を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書の研究計画に記した項目について,令和2年度ならびに令和3年度は順調に実施できたので,令和4年度は,引き続き,交付申請書の研究実施計画に記した項目について研究を推進する。
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