研究課題/領域番号 |
20H02030
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中谷 彰宏 大阪大学, 工学研究科, 教授 (50252606)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 変形体力学 / 計算力学 / 不安定性理論 / マルチスケール理論 / メタマテリアル |
研究実績の概要 |
微細な内部構造を有する材料システムの中で、予応力場(能動的・積極的に導入する場の意味で、残留応力場とは区別してこう呼ぶ)と微視回転型不安定機構を内在する力学的メタマテリアルのミクロ現象とマクロ特性の関係を記述する粗視化計算力学解析法の定式化とその実証を行うことを目的としている。 この目的を達成するために、周期的パターンを付与したキリガミ型の力学的メタマテリアルについて、ナノ構造シミュレーション、力学試験、両者の比較による妥当性確認に基づいた粗視化計算力学理論の構築、特徴を抽象化した格子モデルによる動力学特性について研究を進める。 2020年度は、セル・オートマトンによる微視的内部幾何構造の時間発展とマクロな形状によって決定される力学状態の変化についてのシミュレーション、双安定な微視的内部構造を有する周期的セル構造体の変形シミュレーションを実施し、単位構造の力学応答や、分岐が、マクロな力学応答にどのように影響するかを解析した。また導入した力学的メタマテリアル造形装置により、準備的検討として面内・面外回転機構を有するセル構造体のプロトタイプを造形し、変形理論の礎となる変形を見出した。さらに付加製造による予応力場の付与の可能性を検討するために、成長する固体の変形論の基礎を提案し、変動する内・外圧を受ける円筒の成長シミュレーションを通じて残留応力場形成過程を解明した。結論として、検討した現象のいずれもが、非適合性という観点をから統一的に論じることができることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計上している力学的メタマテリアル造形装置を年度前半に速やかに導入し、予備的検討としてのプロトタイプの作成と、力学モデルの考案、簡易シミュレーションなどを行い、微視回転型不安定機構を内在する力学的メタマテリアルの検討を行い、理論構築の基礎を見出した。
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今後の研究の推進方策 |
微視回転型不安定機構を内在する力学的メタマテリアルのミクロ現象とマクロ特性の関係を記述する粗視化計算力学解析法の理論の構築を行い、その有効性を確認するためのパラメータスタディを行う計画である。特に付加製造技術による形態創製プロセスを念頭に、その機構設計だけでなく、造形中に力学環境を変化させることによって応力場を織り込んだ予応力設計を新たに発明し、力学的不均一性と幾何学的なミクロ運動の束縛の両面から研究を行い、メタマテリアル創製のための計算機援用工学技術の礎を築く。
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