研究課題/領域番号 |
20H02041
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶原 優介 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (60512332)
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研究分担者 |
木村 文信 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (10739311)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 異材接合 / 成形接合 / ブラスト処理 / 熱水処理 / 亜鉛めっきハイテン鋼 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,自動車の生産ラインと親和性の高いブラスト処理と熱水処理を融合した金属樹脂直接成形接合技術を確立すること,及び成形接合時の樹脂転写現象を明らかにするとともに,接合寄与因子を解明することである.具体的には,ブラスト処理後に異材援用型熱水処理法を導入して鋼材表面にもナノ構造を創製し,Alのみならず鋼材とエンジニアリングプラスチックの間で引張せん断強度30 MPa,疲労試験強度(10^7回繰返し後のせん断強度) 20 MPa以上の成形接合を達成する.加えて,熱水処理などで生成されるナノ構造への溶融樹脂転写の高分子サイズ効果を導き出すとともに,nano-FTIRやTHz偏光計測など新規技術を導入して接合部の樹脂配向や化学結合状態を明らかにし,成形接合における接合メカニズムを解明する. 2021年度は,亜鉛めっきハイテン鋼表面に熱水処理を施してナノ構造を創製してPBTとの成形接合を実現したのち,熱水処理条件,成形条件を最適化して引張せん断強度23 MPaを達成した.加えて,xps等による表面構造の化学構造解析から亜鉛表面の微細針状構造がZnOであることを突き留め,断面TEM像およびEELS解析から針状構造によるアンダーカット部にも樹脂が問題なく充填されていることを確認した.さらなる発展に向けて誘導加熱圧着装置を設計・構築し,成形接合が難しいCFRTPと熱水処理亜鉛めっきハイテン鋼の直接接合にも成功している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
発展に向けて誘導加熱圧着装置を設計・構築し,成形接合が難しいCFRTPと熱水処理亜鉛めっきハイテン鋼の直接接合にも成功しているが,この内容に関しては申請時に想定しておらず,大きな進展となったため.
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今後の研究の推進方策 |
インサート成形による成形接合,誘導加熱圧着による直接接合という2つの方法で金属樹脂直接接合が可能となっている.もちろん各手法の最適化や拡張,接合メカニズムの解明は進めていくが,各手法による接合の差異,およびどのような材料や目的の場合に何れの方法が適切なのか,といった部分について突き詰めたいと考えている.
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