研究課題
本研究では、金属組織を作り込むときに通常考慮される「温度場」だけでなく、これまで無視出来るほど小さかった「圧力場」を新たに取り入れることによって、これまでに無い新しい金属組織制御法の基盤となる新しい学理を構築する。具体的には、液相から凝固が開始する際に圧力を印加し微細な凝固組織を形成する学理(新学理A)と、固相に衝撃波を印加し通常の塑性変形では考慮されない転位生成を陽に考慮し効率的に塑性変形を誘起する学理(新学理B)である。本研究の目的は、この新しい学理を基に、ナノ秒レーザ誘起圧力波とフェムト秒レーザ誘起衝撃波を「圧力場」として利用することによって、割れの無い高強度な溶接継手を実現する新しい高速レーザ溶接法を開発することである。2023年度は、力学特性のさらなる向上を目指し、プロセス1(新学理Aに基づき、溶接金属の強度を向上させるレーザ溶接プロセス)、プロセス2(新学理Bに基づき、熱影響部の強度を向上させるレーザ溶接プロセス)、プロセス3(溶接継手全体の強度を向上させるレーザ溶接プロセス)の最適化を図った。その結果、析出強化型2024アルミニウム合金レーザ溶接継手の硬さ、圧縮残留応力、疲労寿命の全てを向上させることに成功した。微細組織を観察した結果、本プロセスを適用した継手の転位密度は、母材と比較して大きく増加していることが分かった。さらに発展的プロセスとして、析出強化型2024アルミニウム合金および7075アルミニウム合金の摩擦攪拌接合継手にも本プロセスを適用した結果、いずれの合金に対しても、それぞれの母材と同程度かそれ以上の疲労寿命を達成した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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