研究課題/領域番号 |
20H02060
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 貴哉 沖縄工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (30399258)
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研究分担者 |
上條 利夫 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00588337)
荒船 博之 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90707811)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 低摩擦材料 / イオン液体 / ポリマーブラシ / ゲル / 再生機能 |
研究実績の概要 |
本年度はポリシロキサンを骨格としたABA型ブロックコポリマーの合成にあたり、メタクリル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)をポリエチレングリコール(PEG)末端から伸長させPDMS-PEG-PDMSおよびPEG-PDMSを合成し、その特性を評価した。得られたポリマーをPDMSゴムに添加したところ、PDMS(1.6k)-PEG(5.5k)-PDMS(1.6k)およびPDMS(5.9k)-PEG(5.7k)-PDMS(5.9k)を1wt%添加したPDMSゴム基板ではグリセロール90wt%接触角が70°程度であり、既存のPDMS(1k)-PEG(2.1k)を1wt%添加したPDMS基板(40°程度)に比べ接触角変化が小さく、また摩擦係数も比較的高かった。PDMS側鎖の分子量が大きい櫛型と直鎖型の違いによるものと考えられる。一方、PDMS(1k)-PEG(2.1k)では摩耗処理後の評価から潤滑性の回復挙動を確認した。 またスライドリング架橋剤を導入したイオンゲルを熱重合により合成した。イオン液体モノマーであるDEMMTFSI、スライドリング架橋剤SM1305Pおよびイオン液体BMI-TFSI中で加熱してゲルを合成したところ、共有結合型架橋剤であるtriethyleneglycol dimethacrylateの場合に比べ添加量が4, 7wt%いずれの場合も強度および伸びが向上し、2倍程度の強靭化を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ブロックポリマーのリンカー及び側鎖構造と表面特性の関係性や自己修復性の確認からポリマー構造体の設計指針が得られた。また動的架橋構造を有するイオンゲルを合成し、基礎特性を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2023年はPDMS骨格と動的架橋構造を有するイオンゲルの合成条件を確立する。また、これにブロックポリマーを添加した複合体を形成し、その特性評価から潤滑性とその自己修復性について明らかにしていく。
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